第78回

新人コミック大賞 発表

少年部門


入選

『白雪姫と七人の刺客』相川西(26歳・千葉県)

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■青山剛昌先生
わりと面白かった。白雪姫が実は強いっていう設定も、いい感じ。ただアクションシーンになると絵がゴチャついて何がどうなっているか分かりづらかった(笑)もっと俯瞰の絵を上手く使えば分かりやすくなると思う。
■田中モトユキ先生
明らかに内容をつめこみすぎてます(笑)前半がガチャガチャしすぎで非常にもったいない。「白雪姫」というネタにこだわらなければ、7人も刺客を用意する必要もなくなり、演出に余裕も出たのでは?
■畑健二郎先生
絵もキャラクターもお話も今風で非常にレベルが高く、背景や効果などもプロとしてやっていけるレベルにあると思います。単純に面白かったです。課題は、もっとオリジナリティ溢れる作品を描いていくこと。期待してます!!
■藤田和日郎先生
面白い!アイデアが溢れ出してたまらないんでしょう!物語のまとめ方も見事! 次の課題は、アイデアの選択。読切はテーマに集中しよう。そうすればホラ、ページに余裕が出来るよ。頑張れ!

入選

『しかしワケアリにつき』火野蓮時(25歳・愛知県)

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■青山剛昌先生
絵も上手くて話も面白いけど、ヒロインが悲劇のヒロインぶり過ぎてて、ちと鼻につくかも(笑)。でも、漫画の魅せ方はバツグンに上手いので、別の話も読んでみたい。
■田中モトユキ先生
すでにプロの原稿のレベルです。「疫病神」のコが、本物の「神」というより、そういう力を持ってしまった人間にしか見えなくて、ちょっと混乱します。もっと神秘的な雰囲気が出ると、より良いのではないかな?
■畑健二郎先生
強いキャラクター性や、より感情に訴えかけるドラマを作ろうとしている点は好感を持ちました。画力も標準以上だと思います。ただ、感情が先走りすぎていて重複した展開が多数見受けられたのはやはりマイナスです。
■藤田和日郎先生
いいねえ、少年漫画だ! 元気だし、目力もある。表現も上手い。絵柄も格好いい。表情も目を惹きつける。次の課題は、面白小説や面白映画をたくさん吸収して、アイデアをストックすることだ!

佳作

『記憶の海を紡げ』星野真(27歳・埼玉県)

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■青山剛昌先生
なかなか面白かった。教授の性格がクールですっとぼけてて、イイ感じ! 絵もスッキリしてて読みやすい。ラストのどんでん返しの後、ただ淡々と終わらせるんじゃなくて、何かもう一つ欲しかったかも(笑)
■田中モトユキ先生
絵のレベルも高く、どんでん返しも用意され、非常に良くまとまった作品。ただ、導入部が現在なのか過去なのか分かりづらく、引っかかってしまう。サプライズを作ろうとしたのだと思いますが、分かりづらさはNG.
■畑健二郎先生
丁寧でクオリティの高い画面作り、読者を意識した驚きのあるシナリオなど非常にレベルが高い。単純に面白かったです。次は、感情だけでなく、もっと少年漫画らしい『動き』を意識した作品作りを期待しています!
■藤田和日郎先生
端正な良い絵を描く人ですね。どんでん返しも意外でした。次の課題は「読者にどんな読後感を与えたいのか?」。たくさんの面白本、面白映画を見て、感情のもっとむき出しのキャラクターを描いて下さい。頑張れ!

佳作

『ハンドメイドワールド』仲沢ゆうか(16歳・大阪府)

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■青山剛昌先生
スゲ───面白かった! 二人のセリフがわざとらしくなく、心に響きまくって感動しました! ただギャグがこの話にあってないような… 面白いんだけどね(笑)
■田中モトユキ先生
凄い星空! この方には違う景色が見えているようだ。ハッとするようないい表情、表現にグッとくる。凄くミニマムな世界を描きながら、スケールの大きさを感じさせる。凄い才能。ただ…少女漫画なんですよね。
■畑健二郎先生
感情を表情で表わそうとするその姿勢はとても好印象でした。ただ、漫画の基本的な文法が間違っている点がちらほらあり画力、シナリオ作り含めて、基礎的な学習がまだまだ必要かなぁと思います。
■藤田和日郎先生
よくぞ漫画を最後まで描けた! これからどんどん上手くなっていけるということです。ただ、まだ自分の考えたことでいっぱいいっぱいな気がする。次からは読者のことも。めいっぱい想像しながら親切に物語ろう。

佳作

『魔王の飼い方』井上小春(21歳・埼玉県)

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■青山剛昌先生
面白くなくはなかったけど、ストーリーに起伏があまりなかった。魔王をもっと凶悪にすれば、もっと笑えたかも。あと、ヒロインの子があまりイジメられてる感がなくて、ラストの盛り上がりに欠けたような…
■田中モトユキ先生
絵のレベルが高く、とても読みやすかった。しかし、少女と魔王の出会いが雑なのが、とても引っかかります。コメディ要素が多めといえど、RPG好きなだけで魔王を能動的に受け入れるのは、都合が良すぎるのでは?
■畑健二郎先生
暗い話になりすぎないように、細かく笑いを入れようとするサービス精神は好感を持ちました。ただ、タイトル先行の作りの甘さも気になりました。絵も話もキャラクターももっと丁寧に作る努力が必要かなと思います。
■藤田和日郎先生
楽しめました。読者目線が二つになり、心情が変化する人が二人になったのが残念。どっちかが生徒(心が変わる方)、どっちかが先生(心を変える方)に決められたらもっと説得力が増して、名シーンも作れたのに。

佳作

『All You Need is LOVE』

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■青山剛昌先生
かなり面白かった! ギャグも笑えていい感じなんだけど… なんかエロくないんだよね───(笑)まあ、それはそれでいいのかも… あと、野球のシーンはもっとちゃんと描こう!(笑)
■田中モトユキ先生
主人公の若いリビドーが素晴らしい! 絵は荒々しいが女の子もかわいい。この爽やかなバカバカしい作風を大事にしていってほしい!
■畑健二郎先生
キャラクター性をはっきり出そうとしている点や、男女とも表情をしっかり描こうとしている点は好感を持ちました。ただ、お話に新鮮味やひねりがない点、キャラクターの扱いや作りが雑な点は気になりました。
■藤田和日郎先生
少年漫画らしい、爽やかで楽しい漫画! 嬉しいね。主人公も元気で正しい。エロスのキャラがもっと立つと良かったけど。次の課題は、ペンを使って自分のキャラを山のように描くこと。絵を描くのに慣れるんだ。頑張ってなー!

佳作

『バイトファイター 朝キング』臼井凌(21歳・福岡県)

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■青山剛昌先生
勢いがあって面白いんだけれど、絵がゴチャついていて読みづらい。そこをクリアすれば、もっとノリノリで読めたと思った。それと、「バイトが出来る」んじゃなくて「レジ打ちが出来る」んだと思うけど(笑)
■田中モトユキ先生
物凄く面白かった! 完全に一読者として読み進めてしまった! ハヤスギさんの戦線離脱のシーンに大爆笑!コンビニのバイトなのに、この熱さはなんなんだ!? 読者にもこの作品を早く読んで頂きたい!!
■畑健二郎先生
今回一番面白かったです。時代に流されず男とおっさんばかりしか出ない潔さや、独自の設定、独自の展開、そして独特のキャラクターセンス。ただ、課題はやはり画力。のびしろは強く感じます。期待しています!
■藤田和日郎先生
表現が面白い。そして、日常をファンタジーとしてとらえるための漫画パワーが感じられました。次作への課題としては。シーンの意味を丁寧に説明してください。つっこみを読者に任せず、堂々と語ってください!

佳作

『雨のちきらり』望月衣緒(20歳・大阪府)

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■青山剛昌先生
面白かった。主人公とヒロインの想いが伝わってきて、読後感がかなりいい! ただ、閉じ込められた女の子を捜す工夫がもう少し欲しかった。もう少し必死で頭も体も使って見つけた方が、もっと良かったかも?
■田中モトユキ先生
絵に温かみがあって、とても良いです。ただアイデアと呼べる物が「胸の穴」しかありません。起承転結で言えば、「起」でしかない内容です。友達になる過程にもっとドラマが必要でしょう。
■畑健二郎先生
感情表現を独特の手法で表現しようとするチャレンジ精神はいいなと思いました。思春期の感情を丁寧に描こうとする姿勢も良いです。ただ、お話が小さ過ぎた。きちんと行動する物語を描くよう心がけましょう。
■藤田和日郎先生
ひりつくような心の傷が伝わってきます。ただ、これから君が漫画を仕事にするためには、君の作品を読み始めた読者が「この主人公、こうなればいいのに」と強く思わせる方法を考える必要があります。頑張れ!

佳作

『破戒』佐伯よしはる(27歳・東京都)

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■青山剛昌先生
悪くはなかったけど、主人公の彼女のキャラをもう少しかわいげのある女にした方が、主人公に感情移入出来たかも。読んでる間「早く別れちゃえばいいのに…」と思っていたので…(笑)
■田中モトユキ先生
坊主を題材とするなら、キャラの描き分けにめいっぱい力を注いで欲しい。メガネやバンダナといったアイテムに頼る前に、骨格、眉の太さ、鼻の形、色々あります。
■畑健二郎先生
あまり見かけないジャンルに挑戦しようという心意気は良いです。ただ、キャラクターの中に一人も共感できる人間がいないという点は問題。「読者は何が読みたいのか」という点を、しっかりと考えてみるのがいいと思います。
■藤田和日郎先生
絵が上手で表情もよく描けてます。色々調べる習慣がついた君は、もう武器を持ったことが感じられます。次は読者の欲しいものを想像してみましょう。読者にどんな読後感を味わって欲しいのか。頑張ってくださいね!

佳作

『木のヘンタイ』浅山わかび(22歳・京都府)

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■青山剛昌先生
絵もキレイで読みやすく女の子もスゲーかわいいんだけど、最初の10Pでオチが読めてしまい、意外性がなかった。ラスト、もうふたひねりくらい欲しかったかも…(笑)あと、この内容なら26Pくらいで描けると思う(笑)
■田中モトユキ先生
野呂くんのキャラがいい。彼の視点から物語を語った方が、印象が強くなると思います。皆子ちゃんが冷静なだけに、彼女で語られる物語の印象はおとなしくなります。丁寧に描かれる画面に好感持てます。
■畑健二郎先生
キャラクターを立たせ、行動による感情のドラマを描こうとする姿勢はとても好感を持ちました。ただ、話を支えるだけの画力がないことが残念。絵に説得力が出れば面白さはもっと変わってくると思います。
■藤田和日郎先生
言いたいことを最後まで描き切った自分を褒めてあげて下さい。絵も上手です。一層磨いてください。ただストーリーが捉え辛かった。変化を描くのがストーリーなので、しっかりと変化前と変化する理由を考えて下さい。

佳作

『宝物のしまいかた』青水梨鴉(24歳・静岡県)

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■青山剛昌先生
やりたい事は分かるんだけど、やるならもっとど派手にやって欲しかったかも(笑)まあクールで冷たいストーリーにしたかったんだろうけど中途半端な感じが。でも、絵は凄く上手くて読みやすいので、次回作に期待です。
■田中モトユキ先生
この作品をどう評価すればいいのか分かりませんでした。
■畑健二郎先生
独自のセンスがある部分は好感を持ちました。特にキャラクターの絵の丁寧さは表情や造形なども含めてよかったと思います。ただマイナス点としてはやはりシナリオ。全てのページで読者を楽しませるよう努力してください。
■藤田和日郎先生
日の光の中の陰。美意識が強烈な作品です。君がやりたいことを職業にするためには、読者がそのストーリーに乗るための読者目線のキャラを作ることが必要です。ムードと美しさが描ける君だから、それを練習しよう!

佳作

『ミサキ』舟本鉄彦(18歳・神奈川県)

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■青山剛昌先生
意外なオチで面白かった。ただ、面白かったのはオチだけで、コマ運びを工夫すれば前半ももっと面白くなると思う。あと画力ももっともっと付けた方が、読者を話にひきこめるんじゃないかな?
■田中モトユキ先生
味わいのある絵柄です。愛嬌があるというか。セリフ回しにキレがあり、センスを感じる。少年誌的に非常に問題があるラストですが、妙に惹きつけられる作品でした。
■畑健二郎先生
若いのに大人のミステリーを描こうとしている姿勢と、あと読者を驚かせたいという気持ちも好感を持ちました。マイナス点は絵も話も作りが粗すぎるという部分です。絵もシナリオも基礎から学び直すのが近道だと思います。
■藤田和日郎先生
不穏なシーンとサスペンスフルな展開。イイですね。次に君がやることは、お話をもっともっとドラマチックにしてやること。そのためにキャラクターについて考えまくること。頑張れ!

佳作

『かもん ベイベー 葉山くん』

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■青山剛昌先生
そこそこ面白かったけど、「何でオシャブリ?」っていう感覚が先に来ちゃって、話に入れなかった。あと、ヒロインが子供の頃「変だ変だ」と皆に言われている理由が全く分からなかった。光るセリフもあるので、次に期待。
■田中モトユキ先生
かっこいい事言ってるのに、クサくならないおしゃぶりの力すげー! 背景の張り紙を、わざわざ描き込むあたりに妙なこだわりを感じておかしかったです。
■畑健二郎先生
キャラクター性をしっかり出そうとしている点は良かったと思います。女の子の絵も可愛かったです。ただ全体として説得力に欠ける点が気になりました。まずは丁寧な作品作りを目指すのがいいかなと思います。
■藤田和日郎先生
葉山くんのキャラクターが楽しげに描かれていて、とても好感が持てました。でも、女の子が「他と変わってる」かが分からなかったのが残念。恐らく君の漫画は間違ってないけど、もう一つ飛び抜けないといけない。