第80回

新人コミック大賞 発表

少年部門


入選

『REASON』茂木ヨモギ 20歳・東京都

■青山剛昌先生
スゲー良かった! セリフもジーンとくるものがあったしコマ割りも読みやすくてバッチリ! でも、ストーリーを止める扉絵はダメです(笑)普通に扉絵を1P目にした方が良かったと思う!
■田中モトユキ先生
人生の一部分を切り取って描こうとしている姿勢に好感が持てる。そういう新人の方は意外と少ない。後半にいくほど絵の表現が上がっていってるのが印象的でした。
■畑健二郎先生
しっかりとドラマを描こうとする姿勢にはとても好感が持てました。作品としては地味ですが、絵も含めてとても優秀だと思います。ただ、問題点としてはやはり意外性のなさは厳しいかなと。
■藤田和日郎先生
いいハナシだった。お年寄りを描くのを恐れない人は、色々な話を描ける人です。いいよ。もったいないのは、主人公とおじいさんとどっちの変化を強く印象づけたいのかが、少しあやふやだったところ。

入選

『キラ☆ばん!!』藤原 翼 23歳・東京都

■青山剛昌先生
結構オモロかった! テンポも良く、アクションシーンも迫力があった。けど、アクションに入る前と後の絵を小さいコマでいいからチョコっと入れると、もっとわかりやすかったかも。ラストの告白シーンはバツグン!
■田中モトユキ先生
ラスト手前の見開き、凄くイイ表情です。この顔だけでこの作品、勝ったといえます。話運びもスピード感があり飽きさせません。その分、細かい所は気になりますが。
■畑健二郎先生
個人的には「スケ番!?」の台詞に笑ってしまいました。女の子がとても可愛く、活き活きと描けていて好感が持てました。ただ、絵も話もとにかく盛り込み過ぎでかなりお腹いっぱい… 引き算も必要ではないでしょうか?
■藤田和日郎先生
元気のいい漫画だった! 読み応えもあった。でも、印象に残らないのが、凄く残念。読者に爪跡を残すには、キャラに君の言葉を喋らせなければいけない。君が君のキャラの着ぐるみを着たつもりで喋らせてやって!

入選

『知らない海の底』紺野アキラ 20歳・福岡県

■青山剛昌先生
面白かった! ホノボノしていて、とても良かった! でも、悪い方の魚が彼女の口から出てくる所が、わかりづらかったのでもう一工夫を! 欲を言えば魚に入られた彼女をもう少し怖くして迫力だせたらよかったかも。
■田中モトユキ先生
さっぱりめな絵柄ですが、不気味さも表現できてていいですね。しかし、魚が体内に入るというグロテスクな設定なので、表現をもう一歩踏み込んでほしかった。
■畑健二郎先生
絵は地味でしたが、レベルが高い。特に台詞や感情の流れに無理がなく、自然に読める漫画でした。この『自然に読める』というのが実は難しいので感心してしまいました。次の課題は『画力』と『読者を惹きつける何か』。
■藤田和日郎先生
面白いコトを考えるね、絵も上手。でも、もったいないのは面白いシーンなのにそれを凄いでしょ!と読者に見せる気合いがちょっと足りないところ。面白いから自信を持って、気迫でメリハリつけた漫画を描いてね!

入選

『ヒミツガール・トップシークレット』牧彰久 26歳・東京都

■青山剛昌先生
超ーースゲーー面白かった! コマ割りもテンポも抜群で女の子もかわいくてグイグイ話に引き込まれて、あっという間に読み終えました! 読後感も良くて、早くこの作家の別の話が読んでみたいッス!
■田中モトユキ先生
ネタに対してのページ数が、長すぎに感じます。読者が正体を知りたくなることを、ヒロインが何もしてくれてないからです。彼女のキャラが立てば、一段魅力的なお話になるはず! 絵はかわいいですし、惜しい。
■畑健二郎先生
女の子は可愛く、絵も読みやすく、主人公のキャラの立て方も好感が持てます。ただ、話はちょっと意外性に欠ける。アイディア不足な印象はぬぐい切れません。今後は自分だけのアイディアを持って勝負してほしい。
■藤田和日郎先生
読切は一つの設問に向かって転がっていく、その作り方を知ってる君は、とてもいいと思います。ただ、主人公とヒロイン、2人ともキャラの善性が弱く奥が感じられないのが残念。もっと君なら描けるはず、頑張れ!

佳作

『ドーテー先輩私を描いて』トビー 27歳・東京都

■青山剛昌先生
うーん、全く話に乗れなかった… ヒロインに魅力を感じないし、主人公にも共感できず。野球部の先輩の練習が終わるのを待ってたんなら、もう少し伏線を張ってほしかった。でも、告白シーンはちょっと良かったです。
■田中モトユキ先生
ナマイキな女子に弄ばれるの、嫌いじゃありません(笑)“想像の限界”の絵に、思わずふき出してしまった。まっすぐな若さが清々しい。ボロボロになりながらの告白、よかったです!
■畑健二郎先生
ヒロインは可愛く、表情も含めてよく描けていました。ストレートな恋愛をまっすぐ描けることは才能だと思うので、この線で次々描いていくといいんじゃないかなと思います。画力は全体的にまだまだ未熟で要努力。
■藤田和日郎先生
女の子かわいいなあ。テーマもストーリーにちゃんと乗せられています。君の次の課題は少年誌の読者に照れずに漫画を伝えること。恥ずかしいシーンも含めて「逃げずに」描かないとダメなんじゃないかい?

佳作

『シンすなわち』石橋岳大 28歳・神奈川県

■青山剛昌先生
絵は独特でスッゲー上手だったけど… 話がとてつもなくわかりにくかった。何がどうなってるか理解するために、何度前のページをめくり直したことか。その時点でアウトです(笑)
■田中モトユキ先生
上手い。非常に上手い。高いレベルでバランスのとれている作品。絵の可愛らしさと安定感は特筆すべきかと。しいて難を言えば、キャラとエフェクトがデザイン的でごっちゃになり、状況を掴みづらい所もある。
■畑健二郎先生
画力という点では今回、圧倒的だったと思います。見開きから小物に至るまで、これだけ完成された絵柄を持っているというのは本当に素晴らしいことだと思います。ただ半面、ストーリーはちょっと弱いかなと思います。
■藤田和日郎先生
個性的な絵がとにかく凄いね。これは味方で武器だ。この武器を使って「誰に物語るか」を決めることが必要。少年誌では子どもたちもわかるように、丁寧に説明しないとついてきてくれないよ。親切な気持ちで描こう。

佳作

『アクノミカタ』高木祐太 21歳・神奈川県

■青山剛昌先生
うむむ…格好良い画面はあるんだけど、話がわかりづらすぎて、のれませんでした… 本人の中では設定が出来上がっているのかもしれないけど、読者に伝える工夫がもっと必要! フキダシのトゲもちゃんとつけよう!
■田中モトユキ先生
今描きたいものを詰め込んだ! そんな熱量を感じます。絵を描くのが楽しくてしょうがないという感じですね。なので、言うことありません。この調子でどんどん描きましょう!
■畑健二郎先生
女の子の絵がとても可愛く、特に表情の作り方のこだわりは、群を抜いていたと思います。特定の作品の影響はとても強く感じますが、これだけ描けるのは非常に大きな強みだと思います。少年漫画らしい話作りも好感触。
■藤田和日郎先生
物語は全然知らない他人に向けて描くもの。特に少年誌は小さい子にもわかるように丁寧に説明しないと。キャラもどんな人かを読者に伝えないとページをめくってくれない。丁寧に丁寧に、君のファンタジーを伝えて。

佳作

『怪物も悩むんです』仲里由多加 21歳・埼玉県

■青山剛昌先生
獅子舞のオチと三つ編みでヘビが苦しがっているとこはクスッとできたけど、あとはウーン… なんでこの学校には怪物しかいないの?とか、ちょっと説明が欲しかったかも。
■田中モトユキ先生
非常に面白かった! 笑った! 3人組がひたすらバカで楽しくてかわいい! ほのぼの系でなく、しっかり強度のあるギャグ作品なところがポイント高い。この3人もっと読んでいたいです。
■畑健二郎先生
「今回の賞の中で好きなものを一本選べ」と言われたら個人的にはこれをあげます。絵はアレですが、表情の作り方はとてもよく、オチまで含めてギャグも面白かったです。次を期待しています。絵は頑張ろう。
■藤田和日郎先生
アイディアは面白いし女の子達も可愛い。ただ、キャラが立つというのは、どんな状況でも読者が簡単にそのキャラの行動や発言が想像できるってこと。その点、君のキャラは想像が微妙につかない。キャラを考え抜いて!

佳作

『不死身気味の田中』太川善之 20歳・福岡県

■青山剛昌先生
うーん、何をどう面白がっていいのか、サッパリわからなかった…(笑)
■田中モトユキ先生
ギャグやコメディ作品って実は“共感”が必要だと思うのです。読者が“誰か”の視点に立って読み進めていく。この作品の場合は、二人とも共感できない。いじめられて嬉しがってる人間(?)、いじめたい人間ですからね。
■畑健二郎先生
絵は綺麗で話も読みやすかったです。ただ、笑いの型が一つしかないので、どうしても読んでて飽きてしまう。もっと短くまとめた方がよかったかなと。奇抜なキャラはいいのですが、好感度は低いと思います。
■藤田和日郎先生
ハードボイルド! 登場人物の気持ちをフキダシに書かずに分からせるのが上手い。でも、ちょっと現実から浮いてるトコがある。もっと没入させるために、現実っぽい中でやってるんだよって読者を安心させてあげて。

佳作

『神デレラ』西村マリコ 18歳・神奈川県

■青山剛昌先生
つまらなくはなかったけど… ギャグにイマイチのれなかった。でも、ラストで不良達に囲まれた時の主人公のモノローグはとても良かった。ギャグじゃない漫画も読んでみたいかも。
■田中モトユキ先生
この作品、神がかってる! 神に絡まれたら、きっとこうなると思える説得力! セリフのキレッキレさ、展開間も一切ムダがない。一般的に上手いと言われる絵柄ではないが、表現力はバッチリ!!
■畑健二郎先生
独特な雰囲気や画面作り、当たり前の形に収めようとしない姿勢には好感が持てます。しかし、全体的に未熟な印象。特にキャラに関して、好感度は低いイメージ。まずは絵から好感度の高いキャラを目指していきましょう。
■藤田和日郎先生
なんかゆかいな漫画だったよ。気持ちが良くなる漫画はステキだね。課題は二つ。キャラの魅力を考えること。ギャップで考えてね。あと変化を描くならば、変化前もしっかり描くこと。頑張ってね!

佳作

『矛谷君と梃山君』島田依夜 26歳・神奈川県

■青山剛昌先生
まあまあ面白かった! 矛谷君のキャラは良かったけど梃山くんのキャラがイマイチで、凸凹コンビが成り立たないような… でも、言いたい事は伝わってきたので良かったと思います。
■田中モトユキ先生
モノローグをもっと整理してほしい。使うなというわけではなく、効果的に使ってほしい。考えてることがダダ漏れの人間とは付き合いづらいですよね? 漫画のキャラも一緒です。後半はバランスがよく、読みやすいです。
■畑健二郎先生
絵はとても可愛いくて好感が持てます。読みやすく、話も綺麗にまとまってます。ただ全体的に印象が薄かったです。キャラに感情移入がしにくかったことが原因かなと思います。絵は確かなので今後の努力に期待です。
■藤田和日郎先生
属性違いの男の子同士の友情が元気よく描けてます。ただ、キャラが2人とも弱い。次の課題は魅力を持たせること。そのために、いいトコ悪いトコを持たせてくださいね。頑張れ!