95回募集中!2024年915日(日)しめきり

これまでの受賞者

これまでの受賞者一覧

第91回発表

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大賞

賞状、記念盾、賞金200万円、液晶タブレット(Cintiq 16)CLIP STUDIO PAINT EX、受賞作収録本

青年部門

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「花に風」野咲ソウ(19歳・東京都)

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■こざき亜衣先生
とても好きな作品でした。痛みを抱えて生きねばならない人間が見る美しい心象風景が胸に迫り、込み上げるものがありました。
セリフのリズムが心地よく、言葉選びのセンスが抜群に上手かったです。コマ運びも上手いのでとても読みやすく仕上がっていました。
幼少期と現在でもう少し外見的な変化を持たせてはいかがでしょうか? あとお母さんは若干舞台装置感があるので、死ぬ必要の是非から検討の余地がありそうです。

■太田垣康男先生
花に関連した映像のイメージはどれも美しくとても良かった。惜しいのは、その映像イメージを絵にする画力が追い付いていないこと。映像イメージは天賦の才だが画力は努力すれば向上できる。才能を生かす為にも頑張ってほしい。

■浅野いにお先生
とにかく表情が素晴らしいです。表情ひとつでキャラの心情を物語れるのはかなりの強みだと思います。ページ単位で見たときの絵作りもバランスが良く、間の取り方も秀逸なので時間を感じることができ情緒的です。ラストシーンは感傷的で印象に残るものでしたが、そこに至るまでのストーリーは非常にシンプルで、キャラ配置も限定的なのでもう少しフックがあってもいいのかなとは思います。ただいずれにせよ長尺の作品に取り組む場合は必然的にキャラも要素も増えていくので、作風の持つナチュラルさを殺さないような匙加減をしつつ、連載を視野に入れた作品作りに挑戦してほしいです。

■石塚真一先生
心の動きを丁寧にくみ取っています。心情の表現も独自のモノを感じました。切ない気持ちになりましたが、感動しました。キャラクターの表情も繊細かつ豊かです。

■業田良家先生
たくさんの摘まれた花々が鳥の形になって、空に舞い上がっていく。このシーンが好きだ。そんなあり得ないシーンを描けるのが漫画の持つ特性であり、魅力である。とはいえ、そこに説得力を持たせるには、作者のセンスと力量が必要である。それがあるということだ。

入選

賞状、記念盾、賞金50万円、ペンタブレットまたはスキャナーCLIP STUDIO PAINT PRO、受賞作収録本

少年部門

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「文学的タイムトラベラー」鷽月正直(25歳・東京都)特別育成金 50万円

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■あだち充先生
背景も含めてもう少し絵に丁寧さが欲しいのですが、会話のテンポ、コマ運び、構図などに才能を感じました。

■高橋留美子先生
女の子のファーストカットでちょっと損をしています。仏頂面でも、もう少し可愛く感じる絵を描いてほしい。読み進めれば上手さがわかるのですが。ストーリー構成は、素直で勢いよく読めました。あとはもう少しキャラクターの人間味を加えてもらえると、ひねくれたラブストーリーとしてもっと楽しめたかと思います。

■青山剛昌先生
すごく面白かった! 先が読めない展開でオチもよかった! ただコマ割りが独特で読みづらく、絵が少々雑な感じなので同じ人物なのに別人に見えてしまう所が何カ所もあった。でも30・31ページの見開きはとても良かった!!

■畑健二郎先生
単純に興味深く、最後まで面白く読めました。タイムリープ物で、かなり入り組んだ話なのに、あまり見たことのない形のハッピーエンドになっている点もとても良かったと思います。今後の課題としては、まず絵の練度を一段上げること。特に一度、基礎的な背景の描き方を練習するといいんじゃないかなと思いました。期待しています。

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「心のレプリカ」藤千華(24歳・茨城県)特別育成金 50万円

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■あだち充先生
話の性質上仕方ないのかもしれませんがナレーションも会話も説明が多過ぎてずっと文字を読んでいる印象でした。

■高橋留美子先生
構成力はあります。まあまあ理屈っぽい話を退屈させず読ませる力はあります。ところで彼女はなぜそこまで心臓にこだわるのか。説明されていたかもですが、「それだけ?」「実はもっとなにかが?」と期待してしまいました。

■青山剛昌先生
絵もうまくて読みやすく面白かったけど…「心臓を見たい」っていう理由がイマイチわからなかった。多分「心臓を患った親とか兄弟がいて、人工心臓を作って欲しいのかなぁ?」と思っていたけどそうではなかったし…(笑)。でもオモロかった!

■畑健二郎先生
導入がとても上手くて、すぐに話に引き込まれました。セリフも上手で、随所にハッとさせられるネームが入っている点はかなりポイントが高いです。この読切自体は面白かったのですが、やはり少し青年誌向きかなと思いました。ただ技術力は高い印象なので、今後この才能を使って、どのような少年漫画を描くのかとても楽しみにしています。

青年部門

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「チェンジスター」黒田カズキ(22歳・京都府)

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■こざき亜衣先生
キャラクターたちはなんだか生き生きしていて魅力がありました。レイのフリースタイルみたいなやつ、迫力があってよかったです。
ただストーリーに関してはぼんやりした熱は伝わっては来るのですが、感情が先走って展開やセリフが精査しきれていない印象がありました。
何回も読んだのですが、主人公が抱える悩みが解決していくプロセスがわかりませんでした。
ストーリーを俯瞰して、読者に理解してもらう上で抑えなければならない要素を明確にしましょう。

■太田垣康男先生
絵も話も荒削りだが抑え難い情熱が作品から溢れ、新人らしい力強さに読みながら思わず頬が弛んでしまった。キャラクターの表情にも時折ハッとする程の魅力がある。色々とアドバイスしたくなるがグッと堪えて一言だけ。「そのまま進め」。

■浅野いにお先生
メリハリのある線と動的な構図で絵に魅力のある方だと思いました。体のバランスが大きく崩れる箇所がありますが、白黒のバランス感覚が良くセンスを感じます。一方でストーリーは強引な印象があり、ことAI設定が大雑把でリアリティがありません。オーバーテクノロジーは扱い方によっては魔法と同じで、なんでもありの状態になってしまいます。読者が納得して物語に入っていけるように配慮しないと全体が上滑ってしまうので、説得力を持たせるための世界観設定を軽く冒頭に入れる必要があったかもしれません。

■石塚真一先生
予想のつかない展開で話がグングン進んでいくのが作者の強みなのでしょう。勢いをとどめずに描く物語は独特のパワーがありますね。時代性ともマッチしているように感じました。

■業田良家先生
最初の数ページは、ありがちで平凡な絵柄だと感じながら読み進めた。31ページ目の校舎が歌声で破壊されるイメージの辺りから作者の熱量を感じ、迫力ある新しい表現の連続に驚いた。しっかりとしたアイデアがあり、ストーリーも面白い。ページを追うごとに絵柄も成長していって、登場人物たちも魅力を発する顔つきに変わっていった。まだまだ伸びそうな俊才だと思う。

佳作

賞状、記念盾、賞金30万円、受賞作収録本

児童部門

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「虫けらロック」コバヤシ友星(13歳・神奈川県)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
13歳でこの画力は本当にすごいです! ただ話は、入れ替わりの物語かと思いきや…過去話になってしまい、あまり盛り上がらないまま終わってしまったのが残念です。

■松本しげのぶ先生
申し分ない画面構成と構図。落ち着きどっしりした空気感。この圧倒的画力で、フレッシュなぶっとんだものに挑戦してほしいです。天才ゆえ、自分の殻を破る努力を。

■曽山一寿先生
画力はすばらしく高いです。すでにプロレベルです。コマ運びに読みづらさはありますが、13歳でこれだけ描ける人は、まずいません。間違いなく天才だと思います。

■村瀬範行先生
大変構成がよく、一気に読めました。難しい設定をしなくても、これだけ楽しい話を作れるのはすごいです。読みやすくわかりやすいところに、作家の力を感じます。

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「タマシール!」ふじこう(23歳・群馬県)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
妖怪退治ものはたくさんありますが、シールを題材にして、また新しい世界観で楽しく読めました! コマ割りやキャラの演出を勉強すれば、きっとうまくなります!

■松本しげのぶ先生
絵は丁寧で上手い。よいと思います。ただ構図、大ゴマ等の工夫が足りないのか、おとなしく見えます。読者を引きつけて離さないこだわりをもって描いてほしいです。

■曽山一寿先生
面白かったです! 今回の応募作の中では、一番作品としてしっかりまとまっていたと思います。欲をいうならば、「ココ」がスゴイという個性が少し物足りないです。

■村瀬範行先生
児童誌に向けて描いているという意識を感じます。シールでパワーアップする設定は単純ではあるものの、子どもの身近にあり、とても受け入れられやすいと思います。

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「木になるヤツ。」加美ことね(23歳・広島県)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
木ネタにこだわって、とことんギャグを入れてきた意欲はすばらしいです。全ページにわたり同じ表情がほとんどなく、作者も楽しんで描いている感じがしますね。

■松本しげのぶ先生
タイトルから内容が察知できて、それを超えていないのが残念。予定調和では読者の反応は薄いです。ページをめくるたびに、え!?となるくらい爆発してほしいです。

■曽山一寿先生
ネタのフリとオチが丁寧に描けていて、すばらしいです。才能とセンスは、間違いなくあります! 線が荒い部分があるので、丁寧な絵が描けるようがんばりましょう!

■村瀬範行先生
笑いどころのネタもよく、最後まで楽しく面白く読めました。主人公の性格とボケに愛嬌があり、顔の描写も面白く、絵でも笑わせようとしていて好感が持てました。

少年部門

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「想い日に咲く」今田佗(22歳・神奈川県)

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■あだち充先生
人物も構図も話のまとめ方も安定した実力の持ち主が、こだわりのある好きな世界を描きたい絵で思い切り楽しんでいる様子が伝わって来たのでよろしいかと…

■高橋留美子先生
花を作りたいという動機づけにもうひとつ主人公なりの事情・ドラマがあればもっと響くと思うのですが。メルクとの対比も同様で、キャラクターにバックボーンが欲しいです。共感できるキャラ作りを工夫してみてください。

■青山剛昌先生
悪くはないんだけど良くもなかった(笑)。そもそも「床に構築円を描いて杖から魔力を出させば何かが生み出せる」っていう設定を最初に絵とセリフで説明してないのでわかりづらくてのれなかった。絵はとても上手くてセンスもあり読みやすかったのでもったいないです。

■畑健二郎先生
非常に絵が上手く、キャラクターの立て方もいい感じでした。世界観の構築も上手でとても高い技術力を感じました。ただお話に関してはキャラクターや導入部分が良かった分だけ、いい方向に転がっていない印象を受けました。まずは読者に対して新鮮な驚きのある物語を考えられるようになってくれたらいいなぁと思います。期待しています。

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「君と駆ける」椎野つばめ(20歳・兵庫県)

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■あだち充先生
こういうストレートな展開はキャラの描き分け、表情ひとつでもっともっと後味のいい作品になると思います。

■高橋留美子先生
結構辛い話ですが絵がソフトなのでいやな感じにならないのは良いと思いました。キャラクターの気持ちの表現は素直でうまいと思います。明るい話も読んでみたいです。

■青山剛昌先生
とてもとても面白かった! セリフのセンスがよくて、ダイレクトに読者に入って来るし、なにしろ絵やコマ割りが上手くてとにかく読みやすい! ただラスト、あの後、二人がどうしてるかまで描いて欲しかった。バイトしながら二人で暮らしてるとか…

■畑健二郎先生
ドラマがしっかりとツボを押さえて作られており、とても上手だと思いました。今後の大きな課題は『絵的に魅力的なキャラクターデザイン』と、丁寧なドラマ作りをどう「ヒットする少年漫画」に落とし込んでいくのかです。つまり題材をどう選ぶのかという問題です。簡単には見つかりませんが、少年読者のハートを掴む強い題材を見つけていきましょう。

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「MONEY IS TIME」柴田橋(23歳・愛知県)

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■あだち充先生
強引な設定を成立させるためにはもう少し絵にもセリフにもていねいな説得力が欲しい。

■高橋留美子先生
主人公の気持ちに乗っかって読めました。設定も良かったです。切ない話ですが後味は悪くなかったです。作者には、自分は今後どういう作家になりたいのか、考えてほしいです。読者を楽しませたいのか、自分をわかってほしいのか。このテイストで読者を長期に渡って引きつけたいなら話作り、努力してください。

■青山剛昌先生
うーん…金があればあるほど長生きできる設定は面白いんだけど、そのシステムがわからない(長生きというか不老不死だけど…)生まれた時に小型チップを体に埋め込まれていて12才で金がないとそれが発動して死んじゃうとか? 説明してほしかった。

■畑健二郎先生
出だしの設定は面白かったです。世界観を上手に使った物語も興味深くサクサク読むことができました。ただ物語としてはオチが見つからなかった印象。正直、起承転結の起で終わった、そんな印象でした。パースや漫画としての技術など課題は多い印象ですが、伸び代は大きいタイプだと思いますのでガンガン鍛えていくのがいいと思います。

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「花山院の魔法少女」ほしづきせれな(20歳・東京都)

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■あだち充先生
まだ不安定な絵ですが構図、コマ割りに非凡さが光ります。ただ、大好きだったおじいさまの顔がこわ過ぎでは…

■高橋留美子先生
設定は面白いですが、凝った構成を使いこなせておらず全体にわかりにくい。お嬢さまにもなにか秘密が?と勘繰ってしまいました。犯人もよくわからない。メイドが雇い主の老人を「おじいさま」と呼ぶのも混乱します。ただ、女の子の絵がかわいいので、がんばってください。

■青山剛昌先生
とにかくわかりづらい!!(笑)。おじいさんからもらったブローチ(?)で魔法少女になれる事や、そのブローチが剣にもなる事とかの説明がないと何が何やらわかりません! 大金持ちなら最初にバーンと豪邸を見せないとねぇ…ラストは良かったけどね!

■畑健二郎先生
全体的に分かりにくいですが、独特の空気感が漫画に出ていて、とても伸び代を感じました。独特の絵柄も未熟ではあるのですが非常に将来性を感じられるので、鍛えていきたいところですね。課題としては、やはりまず画面やお話の分かりにくさ。基本的な漫画の技術や方法論を学ぶべきかなと思いました。

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「千秋と執事」時雨潤(25歳・福岡県)

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■あだち充先生
どこかのCMみたいな設定は構いませんが、だとしたら展開やオチはもっともっとひねらないと…

■高橋留美子先生
執事のキャラクターで楽しく読みきれました。キャラの表情もいいと思います。絵はうまいのですが、今のところ地味に思います。たとえば予告で他の作家のイラストと並んだ時、目立った方が絶対得なので。華のあるキャラの顔のデザインを考えてみて欲しいです。

■青山剛昌先生
うーむ…色々中途半端でイマイチのれなかったです。執事がお嬢様の高校に入学するのはいいんだけど、もっと気づかれないようにサポートするか、逆にド派手にサポートするかにした方が笑えたかも(笑)。あとキャラの描き分け出来てないと思う。

■畑健二郎先生
絵の未熟さは置いておいて、キャラクターは悪くなかったです。漫画自体も読みやすく、面白いポイントも明確でギャグ漫画家としてのセンスは感じることができました。ただやはり絵の課題は相当大きいかなと思いました。一つだけ最初に鍛えるとするなら可愛い女の子の絵。まずはそこから。それがある程度形になってきたらパースを覚えたりするのもいいかもしれません。

少女・女性部門

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「5円玉ヒプノティズム」きらきひろ(23歳・長野県)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
テンポがよく、まとまっていて絵柄が華やか、男子キャラクターの外見造形も今時っぽいのがよかったです。あえて言うなら、主人公のキャラ立ちのためにもう1エピソード入ればよかったのかな、と思います。

■椎名チカ先生
可愛い絵柄とキャラクターがとても魅力的でした。自己催眠をとおして惹かれあっていくキャラクターはまさに王道で、頑張る2人を応援しながら読みました。ただ王道すぎて展開が読めてしまうのがもったいなかったです。

■真村ミオ先生
キャラクターがイキイキしていて、最後まで面白く読めました。彼が泣いていた理由も理解できるし、ヒロインがいいこで前向きなのも可愛いし、よくできていると思います。見せゴマも効果的でした。

■みづほ梨乃先生
絵は描き慣れていてとても可愛いです。トーンの使い方も今っぽい。たまに読みづらいので、変型ゴマの多用は控えたほうがいいかも。物語はラブを入れたことでわかり辛くなっているので、女の子同士の物語でも。

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「渡り鳥のアズール」緒川みのる(大阪府)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
画面構成、表現などが達者で驚きました。内容は短編の読み切り向きではなかったかも。読む人の想像力とリテラシーに相当の部分を委ねてしまうので、長編で世界の説明と強いオチ有りで読みたい内容でした。

■椎名チカ先生
絵もお話も完成度が高すぎて、読んでいてこれからどうなるんだろうとワクワクしました。コマ割りも見せ方も読ませ方もプロです。まるで連載の1話目を読んでいるようでした。

■真村ミオ先生
重いテーマを扱っているものの、絵柄の優しい雰囲気が中和してくれています。「渡り鳥のアズール」という布石がラストで上手く打たれていて、パスワードなどの小物が活きています。続きが気になる作品でした。

■みづほ梨乃先生
絵がめちゃくちゃ上手い!! カメラワークもいいです!文句なしに上手い! と言いたいですが、欲をいえばもう少し世界を作り込んでほしかったです。ほろびた世界ならサビた加工をするとかできたかな、と。

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「恵お嬢様は運命をつかみたい!」東野くも(25歳・愛知県)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
男女ともにキャラが立っていて面白く読めました。ただ、ザクザクした線が、雑誌で並んだ時に読む人を選ぶかもしれません。また、画面構成は引きの絵があるほうがメリハリがつくのと、場面状況がわかりやすいかと。

■椎名チカ先生
2人のキャラクターがとても好きです。キャラでまんがを動かしているといった感じがとても読んでいて楽しかったです。恋に恋するお嬢様かと思った主人公が実は自分で運命を掴み取りにいっていたところが最高でした。

■真村ミオ先生
とっても可愛いキャラクター達で、2人の考えや想いがしっかりしていて読みやすかったです。谷川くんの登場シーンがアッサリ小さいコマなので、最初モブかと思い読み進めたのがもったいなかったです。

■みづほ梨乃先生
力強いタッチがとてもいいです。さらに華やかさが加わわるともっといいかも。キャラの見せゴマはもっと大きく描いてみては。あと、思っている10倍丁寧に描きましょう。もっと華やかに見せられると思うので!

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「きみだけのエナジー」五木愛(25歳・北海道)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
可愛い絵柄と勢い、ギャグと間のテンポが独特で楽しく読めました。絵柄は可愛いものの時折不安定なのと、引きの絵が少ないのでメリハリがあるといいかもしれません。ですが、今後も勢い重視で突っ切ってもいいかも…。

■椎名チカ先生
とても可愛い絵柄で、主人公と男の子の両思いなんだけど少しすれ違っているところを楽しく読めました。人が持つエナジーという設定をうまく取り入れて、ラストのフラグの回収していくところが気持ちよかったです。

■真村ミオ先生
絵が可愛く万人受けしそう。設定も変わっているものの今っぽいエピソードも入っていて、面白く読めました。左右で似たようなコマ、構図が続くことがあるので意識して変えてみるといいと思います。

■みづほ梨乃先生
絵が可愛い! ただ、トーンを貼りすぎててちょっと古い印象です。トーンを減らしたほうがいいかもしれません。お話はエナジーが出てくる能力ものに挑戦している心意気がよかったです。

青年部門

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「イエローインザブルー」大越早苗(25歳・東京都)

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■こざき亜衣先生
視点が頻繁に切り替わると読者は混乱してしまうので、読み切り作品ではモノローグはどちらかに固定をしたほうがいいと思います。
セリフが観念的で長めのものが多いので、理解に手間取りました。長いセリフと短いセリフで緩急をつけるなど、読み手への配慮や工夫が必要です。デリケートな感情を短い言葉で言い切ることは難しいとは思いますが、何よりも読み手に伝えることが大事です。
光の入り方や凝った構図は美しく光るものがあると思いました。

■太田垣康男先生
いじめ被害と加害を経験した者同士が許し合う。簡単には乗り越えられない心の葛藤を詩的な絵と文章でなんとか伝えようとした力作。だが、心象風景の演出と一人語りが難解な為に正しく意味を読み解くのが難しい。全速力で走り過ぎず、読者の歩調にも合わせる工夫を。

■浅野いにお先生
珍しい切り口でいじめを題材にした良い作品だと思います。ストーリー上はっきりとした結論は出ませんが、想像することが楽しく、セリフも美しいので読み終わった後に満足感がありました。難点としては、これは作品の魅力ではあると思うのですが、独白がややくどく感じることと、二人のキャラクターのモノローグが混在するので、それがどちらのものなのか一瞬混乱すること。読み切りであっても1話の中でモノローグを使えるのは一人まで。主観が誰なのかはきちんと設定した上で、他キャラの心情はセリフで語れるように工夫してください。

■石塚真一先生
テーマへのアプローチが作者ならではの作品となっています。作者自身が深く内向しなければ描けないような心情がつづられていて引きこまれました。答えがあるようでなく、ないようであるエンディングに希望を感じる不思議な力作だと思いました。

■業田良家先生
いじめが人の心を殺すこと、一生続く一種のしつけであることが静かに伝わってきた。デッサン力もあり、それをデフォルメできる力量もある。コマ割りや構図を自由自在で見事である。 作品で何度も言及される「町に降り注ぐ西日のようなとろっとした日差しの美しさ」は見たこともないし、感じたこともない。想像さえできなかった。でも、その光を一度見てみたいという願望を持ってしまうほど、表現が優れた作品だ。

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「うしろあるき」餡作まくら(25歳・静岡県)

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■こざき亜衣先生
主人公がヒロインと素敵な青春を送っている描写の多さに比べ、抱える悩みは端的にささっと描かれており、読み手としては彼の鬱屈とした悩みに寄り添いづらさがありました。こうなるとどうしても「何をそんなに悩んどるんだ君は??」という気持ちが拭えません。そのためか全体的に掴みどころがないお話になっています。全体の情報量のバランスを見直したほうが良さそうです。
ヒロインが表情豊かでかわいらしかったです。

■太田垣康男先生
体験談風の漫画で気を付ける点は「主人公を甘やかさない」に尽きる。主人公が誰かに慰められて幸せになる、という展開は作者が望む願望であって読者が見たい物語ではない。プロを目指すなら「他人を幸せにする物語」を。

■浅野いにお先生
若い時分の繊細さと未熟さが良く表現できていると思います。終盤にかけての流れや主人公の心情に関しては良い話にまとめようとしてはいますが、自己陶酔感は否めなく、もっと主人公のエゴにより引き起こされた悲劇を自覚して、それと向き合うような描写や言葉がほしかったです。それとラストの墓の上に座る彼女の幻ですが、せっかく彼女を想起させる鳥をアイテムとして登場させたのですから、ファンタジックな演出は避けて鳥だけで表現したほうがスマートだったのでは。人物の顔の描き方がやや不安定ですが、方向性は定まっていると思うので、描き慣れていけばさらに良い作品が期待できると思います。

■石塚真一先生
感動したし、カッコ良い! ! 細かい感情の動きを一つ一つ拾って進んでいく物語に深く心を掴まれました。読者の日々に勇気をもたらす素晴らしい作品です。

■業田良家先生
淡々とした筆運びで登場人物の繊細な心情を上手に表現している。コマ割りやコマ運び、間の取り方がうまいからだと思う。「うしろあるき」で前に進むというアイデアは面白い。ただ、主人公は後ろを向いたまま、前に進んでいない。最後に何か少しでも成長するなり、前に一歩進み出す具体的なシーンを描いてほしかった。

奨励金

10万円

児童部門

「カラフルバース」竹映葉(24歳・宮崎県)

少女・女性部門

「本音と恋」Fumi(36歳・静岡県)

「銭と道行き」うらしま弥太郎(48歳・山形県)

青年部門

「いとしのベティ」川松冬花(30歳・東京都)

「AIの創世記~または、僕が海に行きたくなった理由について。」一二三一(22歳・京都府)

児童部門

佳作

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「虫けらロック」コバヤシ友星(13歳・神奈川県)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
13歳でこの画力は本当にすごいです! ただ話は、入れ替わりの物語かと思いきや…過去話になってしまい、あまり盛り上がらないまま終わってしまったのが残念です。

■松本しげのぶ先生
申し分ない画面構成と構図。落ち着きどっしりした空気感。この圧倒的画力で、フレッシュなぶっとんだものに挑戦してほしいです。天才ゆえ、自分の殻を破る努力を。

■曽山一寿先生
画力はすばらしく高いです。すでにプロレベルです。コマ運びに読みづらさはありますが、13歳でこれだけ描ける人は、まずいません。間違いなく天才だと思います。

■村瀬範行先生
大変構成がよく、一気に読めました。難しい設定をしなくても、これだけ楽しい話を作れるのはすごいです。読みやすくわかりやすいところに、作家の力を感じます。

この作品を読む

「タマシール!」ふじこう(23歳・群馬県)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
妖怪退治ものはたくさんありますが、シールを題材にして、また新しい世界観で楽しく読めました! コマ割りやキャラの演出を勉強すれば、きっとうまくなります!

■松本しげのぶ先生
絵は丁寧で上手い。よいと思います。ただ構図、大ゴマ等の工夫が足りないのか、おとなしく見えます。読者を引きつけて離さないこだわりをもって描いてほしいです。

■曽山一寿先生
面白かったです! 今回の応募作の中では、一番作品としてしっかりまとまっていたと思います。欲をいうならば、「ココ」がスゴイという個性が少し物足りないです。

■村瀬範行先生
児童誌に向けて描いているという意識を感じます。シールでパワーアップする設定は単純ではあるものの、子どもの身近にあり、とても受け入れられやすいと思います。

この作品を読む

「木になるヤツ。」加美ことね(23歳・広島県)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
木ネタにこだわって、とことんギャグを入れてきた意欲はすばらしいです。全ページにわたり同じ表情がほとんどなく、作者も楽しんで描いている感じがしますね。

■松本しげのぶ先生
タイトルから内容が察知できて、それを超えていないのが残念。予定調和では読者の反応は薄いです。ページをめくるたびに、え!?となるくらい爆発してほしいです。

■曽山一寿先生
ネタのフリとオチが丁寧に描けていて、すばらしいです。才能とセンスは、間違いなくあります! 線が荒い部分があるので、丁寧な絵が描けるようがんばりましょう!

■村瀬範行先生
笑いどころのネタもよく、最後まで楽しく面白く読めました。主人公の性格とボケに愛嬌があり、顔の描写も面白く、絵でも笑わせようとしていて好感が持てました。

奨励金

「カラフルバース」竹映葉(24歳・宮崎県)

少年部門

入選

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「文学的タイムトラベラー」鷽月正直(25歳・東京都)特別育成金 50万円

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■あだち充先生
背景も含めてもう少し絵に丁寧さが欲しいのですが、会話のテンポ、コマ運び、構図などに才能を感じました。

■高橋留美子先生
女の子のファーストカットでちょっと損をしています。仏頂面でも、もう少し可愛く感じる絵を描いてほしい。読み進めれば上手さがわかるのですが。ストーリー構成は、素直で勢いよく読めました。あとはもう少しキャラクターの人間味を加えてもらえると、ひねくれたラブストーリーとしてもっと楽しめたかと思います。

■青山剛昌先生
すごく面白かった! 先が読めない展開でオチもよかった! ただコマ割りが独特で読みづらく、絵が少々雑な感じなので同じ人物なのに別人に見えてしまう所が何カ所もあった。でも30・31ページの見開きはとても良かった!!

■畑健二郎先生
単純に興味深く、最後まで面白く読めました。タイムリープ物で、かなり入り組んだ話なのに、あまり見たことのない形のハッピーエンドになっている点もとても良かったと思います。今後の課題としては、まず絵の練度を一段上げること。特に一度、基礎的な背景の描き方を練習するといいんじゃないかなと思いました。期待しています。

この作品を読む

「心のレプリカ」藤千華(24歳・茨城県)特別育成金 50万円

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■あだち充先生
話の性質上仕方ないのかもしれませんがナレーションも会話も説明が多過ぎてずっと文字を読んでいる印象でした。

■高橋留美子先生
構成力はあります。まあまあ理屈っぽい話を退屈させず読ませる力はあります。ところで彼女はなぜそこまで心臓にこだわるのか。説明されていたかもですが、「それだけ?」「実はもっとなにかが?」と期待してしまいました。

■青山剛昌先生
絵もうまくて読みやすく面白かったけど…「心臓を見たい」っていう理由がイマイチわからなかった。多分「心臓を患った親とか兄弟がいて、人工心臓を作って欲しいのかなぁ?」と思っていたけどそうではなかったし…(笑)。でもオモロかった!

■畑健二郎先生
導入がとても上手くて、すぐに話に引き込まれました。セリフも上手で、随所にハッとさせられるネームが入っている点はかなりポイントが高いです。この読切自体は面白かったのですが、やはり少し青年誌向きかなと思いました。ただ技術力は高い印象なので、今後この才能を使って、どのような少年漫画を描くのかとても楽しみにしています。

佳作

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「想い日に咲く」今田佗(22歳・神奈川県)

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■あだち充先生
人物も構図も話のまとめ方も安定した実力の持ち主が、こだわりのある好きな世界を描きたい絵で思い切り楽しんでいる様子が伝わって来たのでよろしいかと…

■高橋留美子先生
花を作りたいという動機づけにもうひとつ主人公なりの事情・ドラマがあればもっと響くと思うのですが。メルクとの対比も同様で、キャラクターにバックボーンが欲しいです。共感できるキャラ作りを工夫してみてください。

■青山剛昌先生
悪くはないんだけど良くもなかった(笑)。そもそも「床に構築円を描いて杖から魔力を出させば何かが生み出せる」っていう設定を最初に絵とセリフで説明してないのでわかりづらくてのれなかった。絵はとても上手くてセンスもあり読みやすかったのでもったいないです。

■畑健二郎先生
非常に絵が上手く、キャラクターの立て方もいい感じでした。世界観の構築も上手でとても高い技術力を感じました。ただお話に関してはキャラクターや導入部分が良かった分だけ、いい方向に転がっていない印象を受けました。まずは読者に対して新鮮な驚きのある物語を考えられるようになってくれたらいいなぁと思います。期待しています。

この作品を読む

「君と駆ける」椎野つばめ(20歳・兵庫県)

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■あだち充先生
こういうストレートな展開はキャラの描き分け、表情ひとつでもっともっと後味のいい作品になると思います。

■高橋留美子先生
結構辛い話ですが絵がソフトなのでいやな感じにならないのは良いと思いました。キャラクターの気持ちの表現は素直でうまいと思います。明るい話も読んでみたいです。

■青山剛昌先生
とてもとても面白かった! セリフのセンスがよくて、ダイレクトに読者に入って来るし、なにしろ絵やコマ割りが上手くてとにかく読みやすい! ただラスト、あの後、二人がどうしてるかまで描いて欲しかった。バイトしながら二人で暮らしてるとか…

■畑健二郎先生
ドラマがしっかりとツボを押さえて作られており、とても上手だと思いました。今後の大きな課題は『絵的に魅力的なキャラクターデザイン』と、丁寧なドラマ作りをどう「ヒットする少年漫画」に落とし込んでいくのかです。つまり題材をどう選ぶのかという問題です。簡単には見つかりませんが、少年読者のハートを掴む強い題材を見つけていきましょう。

この作品を読む

「MONEY IS TIME」柴田橋(23歳・愛知県)

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■あだち充先生
強引な設定を成立させるためにはもう少し絵にもセリフにもていねいな説得力が欲しい。

■高橋留美子先生
主人公の気持ちに乗っかって読めました。設定も良かったです。切ない話ですが後味は悪くなかったです。作者には、自分は今後どういう作家になりたいのか、考えてほしいです。読者を楽しませたいのか、自分をわかってほしいのか。このテイストで読者を長期に渡って引きつけたいなら話作り、努力してください。

■青山剛昌先生
うーん…金があればあるほど長生きできる設定は面白いんだけど、そのシステムがわからない(長生きというか不老不死だけど…)生まれた時に小型チップを体に埋め込まれていて12才で金がないとそれが発動して死んじゃうとか? 説明してほしかった。

■畑健二郎先生
出だしの設定は面白かったです。世界観を上手に使った物語も興味深くサクサク読むことができました。ただ物語としてはオチが見つからなかった印象。正直、起承転結の起で終わった、そんな印象でした。パースや漫画としての技術など課題は多い印象ですが、伸び代は大きいタイプだと思いますのでガンガン鍛えていくのがいいと思います。

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「花山院の魔法少女」ほしづきせれな(20歳・東京都)

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■あだち充先生
まだ不安定な絵ですが構図、コマ割りに非凡さが光ります。ただ、大好きだったおじいさまの顔がこわ過ぎでは…

■高橋留美子先生
設定は面白いですが、凝った構成を使いこなせておらず全体にわかりにくい。お嬢さまにもなにか秘密が?と勘繰ってしまいました。犯人もよくわからない。メイドが雇い主の老人を「おじいさま」と呼ぶのも混乱します。ただ、女の子の絵がかわいいので、がんばってください。

■青山剛昌先生
とにかくわかりづらい!!(笑)。おじいさんからもらったブローチ(?)で魔法少女になれる事や、そのブローチが剣にもなる事とかの説明がないと何が何やらわかりません! 大金持ちなら最初にバーンと豪邸を見せないとねぇ…ラストは良かったけどね!

■畑健二郎先生
全体的に分かりにくいですが、独特の空気感が漫画に出ていて、とても伸び代を感じました。独特の絵柄も未熟ではあるのですが非常に将来性を感じられるので、鍛えていきたいところですね。課題としては、やはりまず画面やお話の分かりにくさ。基本的な漫画の技術や方法論を学ぶべきかなと思いました。

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「千秋と執事」時雨潤(25歳・福岡県)

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■あだち充先生
どこかのCMみたいな設定は構いませんが、だとしたら展開やオチはもっともっとひねらないと…

■高橋留美子先生
執事のキャラクターで楽しく読みきれました。キャラの表情もいいと思います。絵はうまいのですが、今のところ地味に思います。たとえば予告で他の作家のイラストと並んだ時、目立った方が絶対得なので。華のあるキャラの顔のデザインを考えてみて欲しいです。

■青山剛昌先生
うーむ…色々中途半端でイマイチのれなかったです。執事がお嬢様の高校に入学するのはいいんだけど、もっと気づかれないようにサポートするか、逆にド派手にサポートするかにした方が笑えたかも(笑)。あとキャラの描き分け出来てないと思う。

■畑健二郎先生
絵の未熟さは置いておいて、キャラクターは悪くなかったです。漫画自体も読みやすく、面白いポイントも明確でギャグ漫画家としてのセンスは感じることができました。ただやはり絵の課題は相当大きいかなと思いました。一つだけ最初に鍛えるとするなら可愛い女の子の絵。まずはそこから。それがある程度形になってきたらパースを覚えたりするのもいいかもしれません。

少女・女性部門

佳作

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「5円玉ヒプノティズム」きらきひろ(23歳・長野県)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
テンポがよく、まとまっていて絵柄が華やか、男子キャラクターの外見造形も今時っぽいのがよかったです。あえて言うなら、主人公のキャラ立ちのためにもう1エピソード入ればよかったのかな、と思います。

■椎名チカ先生
可愛い絵柄とキャラクターがとても魅力的でした。自己催眠をとおして惹かれあっていくキャラクターはまさに王道で、頑張る2人を応援しながら読みました。ただ王道すぎて展開が読めてしまうのがもったいなかったです。

■真村ミオ先生
キャラクターがイキイキしていて、最後まで面白く読めました。彼が泣いていた理由も理解できるし、ヒロインがいいこで前向きなのも可愛いし、よくできていると思います。見せゴマも効果的でした。

■みづほ梨乃先生
絵は描き慣れていてとても可愛いです。トーンの使い方も今っぽい。たまに読みづらいので、変型ゴマの多用は控えたほうがいいかも。物語はラブを入れたことでわかり辛くなっているので、女の子同士の物語でも。

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「渡り鳥のアズール」緒川みのる(大阪府)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
画面構成、表現などが達者で驚きました。内容は短編の読み切り向きではなかったかも。読む人の想像力とリテラシーに相当の部分を委ねてしまうので、長編で世界の説明と強いオチ有りで読みたい内容でした。

■椎名チカ先生
絵もお話も完成度が高すぎて、読んでいてこれからどうなるんだろうとワクワクしました。コマ割りも見せ方も読ませ方もプロです。まるで連載の1話目を読んでいるようでした。

■真村ミオ先生
重いテーマを扱っているものの、絵柄の優しい雰囲気が中和してくれています。「渡り鳥のアズール」という布石がラストで上手く打たれていて、パスワードなどの小物が活きています。続きが気になる作品でした。

■みづほ梨乃先生
絵がめちゃくちゃ上手い!! カメラワークもいいです!文句なしに上手い! と言いたいですが、欲をいえばもう少し世界を作り込んでほしかったです。ほろびた世界ならサビた加工をするとかできたかな、と。

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「恵お嬢様は運命をつかみたい!」東野くも(25歳・愛知県)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
男女ともにキャラが立っていて面白く読めました。ただ、ザクザクした線が、雑誌で並んだ時に読む人を選ぶかもしれません。また、画面構成は引きの絵があるほうがメリハリがつくのと、場面状況がわかりやすいかと。

■椎名チカ先生
2人のキャラクターがとても好きです。キャラでまんがを動かしているといった感じがとても読んでいて楽しかったです。恋に恋するお嬢様かと思った主人公が実は自分で運命を掴み取りにいっていたところが最高でした。

■真村ミオ先生
とっても可愛いキャラクター達で、2人の考えや想いがしっかりしていて読みやすかったです。谷川くんの登場シーンがアッサリ小さいコマなので、最初モブかと思い読み進めたのがもったいなかったです。

■みづほ梨乃先生
力強いタッチがとてもいいです。さらに華やかさが加わわるともっといいかも。キャラの見せゴマはもっと大きく描いてみては。あと、思っている10倍丁寧に描きましょう。もっと華やかに見せられると思うので!

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「きみだけのエナジー」五木愛(25歳・北海道)特別育成金 25万円

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■円城寺マキ先生
可愛い絵柄と勢い、ギャグと間のテンポが独特で楽しく読めました。絵柄は可愛いものの時折不安定なのと、引きの絵が少ないのでメリハリがあるといいかもしれません。ですが、今後も勢い重視で突っ切ってもいいかも…。

■椎名チカ先生
とても可愛い絵柄で、主人公と男の子の両思いなんだけど少しすれ違っているところを楽しく読めました。人が持つエナジーという設定をうまく取り入れて、ラストのフラグの回収していくところが気持ちよかったです。

■真村ミオ先生
絵が可愛く万人受けしそう。設定も変わっているものの今っぽいエピソードも入っていて、面白く読めました。左右で似たようなコマ、構図が続くことがあるので意識して変えてみるといいと思います。

■みづほ梨乃先生
絵が可愛い! ただ、トーンを貼りすぎててちょっと古い印象です。トーンを減らしたほうがいいかもしれません。お話はエナジーが出てくる能力ものに挑戦している心意気がよかったです。

奨励金

「本音と恋」Fumi(36歳・静岡県)

「銭と道行き」うらしま弥太郎(48歳・山形県)

青年部門

大賞

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「花に風」野咲ソウ(19歳・東京都)

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■こざき亜衣先生
とても好きな作品でした。痛みを抱えて生きねばならない人間が見る美しい心象風景が胸に迫り、込み上げるものがありました。
セリフのリズムが心地よく、言葉選びのセンスが抜群に上手かったです。コマ運びも上手いのでとても読みやすく仕上がっていました。
幼少期と現在でもう少し外見的な変化を持たせてはいかがでしょうか? あとお母さんは若干舞台装置感があるので、死ぬ必要の是非から検討の余地がありそうです。

■太田垣康男先生
花に関連した映像のイメージはどれも美しくとても良かった。惜しいのは、その映像イメージを絵にする画力が追い付いていないこと。映像イメージは天賦の才だが画力は努力すれば向上できる。才能を生かす為にも頑張ってほしい。

■浅野いにお先生
とにかく表情が素晴らしいです。表情ひとつでキャラの心情を物語れるのはかなりの強みだと思います。ページ単位で見たときの絵作りもバランスが良く、間の取り方も秀逸なので時間を感じることができ情緒的です。ラストシーンは感傷的で印象に残るものでしたが、そこに至るまでのストーリーは非常にシンプルで、キャラ配置も限定的なのでもう少しフックがあってもいいのかなとは思います。ただいずれにせよ長尺の作品に取り組む場合は必然的にキャラも要素も増えていくので、作風の持つナチュラルさを殺さないような匙加減をしつつ、連載を視野に入れた作品作りに挑戦してほしいです。

■石塚真一先生
心の動きを丁寧にくみ取っています。心情の表現も独自のモノを感じました。切ない気持ちになりましたが、感動しました。キャラクターの表情も繊細かつ豊かです。

■業田良家先生
たくさんの摘まれた花々が鳥の形になって、空に舞い上がっていく。このシーンが好きだ。そんなあり得ないシーンを描けるのが漫画の持つ特性であり、魅力である。とはいえ、そこに説得力を持たせるには、作者のセンスと力量が必要である。それがあるということだ。

入選

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「チェンジスター」黒田カズキ(22歳・京都府)

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■こざき亜衣先生
キャラクターたちはなんだか生き生きしていて魅力がありました。レイのフリースタイルみたいなやつ、迫力があってよかったです。
ただストーリーに関してはぼんやりした熱は伝わっては来るのですが、感情が先走って展開やセリフが精査しきれていない印象がありました。
何回も読んだのですが、主人公が抱える悩みが解決していくプロセスがわかりませんでした。
ストーリーを俯瞰して、読者に理解してもらう上で抑えなければならない要素を明確にしましょう。

■太田垣康男先生
絵も話も荒削りだが抑え難い情熱が作品から溢れ、新人らしい力強さに読みながら思わず頬が弛んでしまった。キャラクターの表情にも時折ハッとする程の魅力がある。色々とアドバイスしたくなるがグッと堪えて一言だけ。「そのまま進め」。

■浅野いにお先生
メリハリのある線と動的な構図で絵に魅力のある方だと思いました。体のバランスが大きく崩れる箇所がありますが、白黒のバランス感覚が良くセンスを感じます。一方でストーリーは強引な印象があり、ことAI設定が大雑把でリアリティがありません。オーバーテクノロジーは扱い方によっては魔法と同じで、なんでもありの状態になってしまいます。読者が納得して物語に入っていけるように配慮しないと全体が上滑ってしまうので、説得力を持たせるための世界観設定を軽く冒頭に入れる必要があったかもしれません。

■石塚真一先生
予想のつかない展開で話がグングン進んでいくのが作者の強みなのでしょう。勢いをとどめずに描く物語は独特のパワーがありますね。時代性ともマッチしているように感じました。

■業田良家先生
最初の数ページは、ありがちで平凡な絵柄だと感じながら読み進めた。31ページ目の校舎が歌声で破壊されるイメージの辺りから作者の熱量を感じ、迫力ある新しい表現の連続に驚いた。しっかりとしたアイデアがあり、ストーリーも面白い。ページを追うごとに絵柄も成長していって、登場人物たちも魅力を発する顔つきに変わっていった。まだまだ伸びそうな俊才だと思う。

佳作

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「イエローインザブルー」大越早苗(25歳・東京都)

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■こざき亜衣先生
視点が頻繁に切り替わると読者は混乱してしまうので、読み切り作品ではモノローグはどちらかに固定をしたほうがいいと思います。
セリフが観念的で長めのものが多いので、理解に手間取りました。長いセリフと短いセリフで緩急をつけるなど、読み手への配慮や工夫が必要です。デリケートな感情を短い言葉で言い切ることは難しいとは思いますが、何よりも読み手に伝えることが大事です。
光の入り方や凝った構図は美しく光るものがあると思いました。

■太田垣康男先生
いじめ被害と加害を経験した者同士が許し合う。簡単には乗り越えられない心の葛藤を詩的な絵と文章でなんとか伝えようとした力作。だが、心象風景の演出と一人語りが難解な為に正しく意味を読み解くのが難しい。全速力で走り過ぎず、読者の歩調にも合わせる工夫を。

■浅野いにお先生
珍しい切り口でいじめを題材にした良い作品だと思います。ストーリー上はっきりとした結論は出ませんが、想像することが楽しく、セリフも美しいので読み終わった後に満足感がありました。難点としては、これは作品の魅力ではあると思うのですが、独白がややくどく感じることと、二人のキャラクターのモノローグが混在するので、それがどちらのものなのか一瞬混乱すること。読み切りであっても1話の中でモノローグを使えるのは一人まで。主観が誰なのかはきちんと設定した上で、他キャラの心情はセリフで語れるように工夫してください。

■石塚真一先生
テーマへのアプローチが作者ならではの作品となっています。作者自身が深く内向しなければ描けないような心情がつづられていて引きこまれました。答えがあるようでなく、ないようであるエンディングに希望を感じる不思議な力作だと思いました。

■業田良家先生
いじめが人の心を殺すこと、一生続く一種のしつけであることが静かに伝わってきた。デッサン力もあり、それをデフォルメできる力量もある。コマ割りや構図を自由自在で見事である。 作品で何度も言及される「町に降り注ぐ西日のようなとろっとした日差しの美しさ」は見たこともないし、感じたこともない。想像さえできなかった。でも、その光を一度見てみたいという願望を持ってしまうほど、表現が優れた作品だ。

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「うしろあるき」餡作まくら(25歳・静岡県)

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■こざき亜衣先生
主人公がヒロインと素敵な青春を送っている描写の多さに比べ、抱える悩みは端的にささっと描かれており、読み手としては彼の鬱屈とした悩みに寄り添いづらさがありました。こうなるとどうしても「何をそんなに悩んどるんだ君は??」という気持ちが拭えません。そのためか全体的に掴みどころがないお話になっています。全体の情報量のバランスを見直したほうが良さそうです。
ヒロインが表情豊かでかわいらしかったです。

■太田垣康男先生
体験談風の漫画で気を付ける点は「主人公を甘やかさない」に尽きる。主人公が誰かに慰められて幸せになる、という展開は作者が望む願望であって読者が見たい物語ではない。プロを目指すなら「他人を幸せにする物語」を。

■浅野いにお先生
若い時分の繊細さと未熟さが良く表現できていると思います。終盤にかけての流れや主人公の心情に関しては良い話にまとめようとしてはいますが、自己陶酔感は否めなく、もっと主人公のエゴにより引き起こされた悲劇を自覚して、それと向き合うような描写や言葉がほしかったです。それとラストの墓の上に座る彼女の幻ですが、せっかく彼女を想起させる鳥をアイテムとして登場させたのですから、ファンタジックな演出は避けて鳥だけで表現したほうがスマートだったのでは。人物の顔の描き方がやや不安定ですが、方向性は定まっていると思うので、描き慣れていけばさらに良い作品が期待できると思います。

■石塚真一先生
感動したし、カッコ良い! ! 細かい感情の動きを一つ一つ拾って進んでいく物語に深く心を掴まれました。読者の日々に勇気をもたらす素晴らしい作品です。

■業田良家先生
淡々とした筆運びで登場人物の繊細な心情を上手に表現している。コマ割りやコマ運び、間の取り方がうまいからだと思う。「うしろあるき」で前に進むというアイデアは面白い。ただ、主人公は後ろを向いたまま、前に進んでいない。最後に何か少しでも成長するなり、前に一歩進み出す具体的なシーンを描いてほしかった。

奨励金

「いとしのベティ」川松冬花(30歳・東京都)

「AIの創世記~または、僕が海に行きたくなった理由について。」一二三一(22歳・京都府)


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