96回募集中!2025年315日(土)しめきり

これまでの受賞者

これまでの受賞者一覧

第88回発表

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大賞

賞状、記念盾、賞金200万円、液晶タブレット(Cintiq 13HD)、CLIP STUDIO PAINT EX、受賞作収録本

少年部門

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「ローリング・ウィズ・ユー」Arata(25歳・栃木県)

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■あだち充先生
話的には細かい部分で引っかかるところもあるのですが、味のある絵柄と語り口で後味良し!

■高橋留美子先生
今回一番良かったです。絵ガラは地味ですが、流れが自然でモノローグも的確ですし、色々な心情が良く描けていて、「ユー」の明るさも、この先この「子」はどうなるのか気になって最後まで読ませる良い効果になりました。

■青山剛昌先生
ユーと主人公の心が少しずつ近づいていく様子がていねいに描かれていて、電池が切れたユーをサッカーボールの転がった軌道で見つける所とか、グッときた!ただ、ユーの体が出来て学校に来た後でも、まだ研究所の人に追われているのが謎だったけど…(笑)。

■畑健二郎先生
哲学的な雰囲気と明るい画風は良かったと思います。ただ、内容があまりに抽象的で、提示されてる問題と解決に『理由』が明示されておらず、理解にまでは至りませんでした。次に何かを描くときは、自分は何が描きたいのか? それはどうすれば読者に伝わるのか? それをしっかり考えたうえで描いてみてください。

青年部門

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「GIANT TORTOISE KILLING」南賀なん(22歳・兵庫県)

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■花沢健吾先生
94ページと長編ですがバランスの良い絵柄、コマ割りの上手い起伏などで全く飽きさせず読ませてもらった。大ゴマ表現も非常にレベル高いです。これならもう少し膨らませて単行本1巻分でも描いたほうが良い気がしました。年齢が全てではもちろんありませんがこのレベルが22歳で描けてしまっているので、さっさとプロになって欲しいです。賞に出すこともないです。

■石塚真一先生
キャラクターの表現が実に豊かです。ダイナミックな設定の物語も作者の画力によって違和感なく読み進められました。物語によって何かが前に向いたり、救われる気持ちになるのは良いモノだなと改めて感じる作品でした。

■太田垣康男先生
ストーリー構成の巧さ、キャラクターの心情の的確さ、作画力の高さ、何より漫画が持つエンタメの魅力が詰まった力作! 怪獣vs女子高生という大バカなネタを力技で感動に持って行く作家性も大いに評価したい! 設定面での詰めの甘さは今後編集者と打ち合わせを重ねる事で克服して欲しい。

■業田良家先生
94ページの大作!「タカガメ」がコロナや大災害、社会的困難を象徴していて深い。戦闘シーンも迫力があって良い。困難に立ち向かう勇気を読者に喚起する力がある作品だ。

■浅野いにお先生
大変な力作だと思うのですが、まずもってページが多過ぎます。また全くリアリティがないので終始ついていけませんでした。災害を暗喩した「何か」と「日常」というモチーフは、自分も同じような漫画を描いているので言及しづらい部分もありますが、ちょっと許容できないレベルのご都合展開が多かったです。アクションシーンは雑な構図も多かったですが、迫力のある見開きには才能を感じました。日常パートも良かったです。ただなんでもありの展開が過ぎて日常パートがおまけのようになってしまったのが残念です。

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「ア・ピリオド・イン・ウィンター」岩崎 真(29歳・東京都)

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■花沢健吾先生
非常に魅力的な絵柄で、淡々と複雑な家族の心理を巧みに描いていました。兄と妹、そして母の説明が省略されているので、その関係性を理解するのに少し時間がかかりますが、それも説明の多すぎる作品よりは良い気がします。早く色々な作品を読みたいです。

■石塚真一先生
作者流の絵、作者流の間、雰囲気、物語運び、素晴らしい。人の所作、機微をとらえる作者の目線、表現力も一流だと思います。ドラマで出来そうで、でもやはりこの作者の絵で読みたいと思わせる素晴らしい漫画です。時間がかかっても良いので、次作を強く期待します。

■太田垣康男先生
淡々とした描写と物語が、愛する気持ちと、それを伝える難しさを実に適切に表現している。母と娘が喧嘩する場面、あの断絶を繋いだお兄さんの存在が光る。この空気感は体験した人にしか描けない個人的な漫画だからこそ、普遍的なテーマを内包しているのだろう。読み終えた後、私には真っ白な扉絵が陽光に照らされる一面の雪景色に見えた。タイトルも実に素晴らしい。

■業田良家先生
親子関係の難しさ、自然に愛し接することの困難を静かな筆致で見事に表現している。終わり方も救いがあって良い。

■浅野いにお先生
永遠に曇りの日が続いているような閉塞感を感じました。繊細さがひしひしと伝わってくる良い作品です。特に親子が食事をした後に喧嘩をするシーンは、静かな中にも激しく感情が動く出色な出来でした。全体の構成も過不足なく読み進められる整ったものでしたが、強いて言うなら最終的に母と娘の関係性にどういう変化が起きたのかを、添い寝の描写だけに留めずもう一歩突っ込んだわかりやすい説明があれば、より印象に残る作品になったのかなと思います。

入選

賞状、記念盾、賞金50万円、ペンタブレットまたはスキャナー、CLIP STUDIO PAINT PRO、受賞作収録本

児童部門

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「マジックリング」大円坊真(24歳・東京都)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
大作ですね。面白く読めましたが、課題も多い。この話 をページ数に収めるには、無理があるように思います。1つのコマに情報をつめこみすぎると、読者は混乱します。

■松本しげのぶ先生
描きたい、伝えたいことがあふれすぎていて、つめすぎになっています。話も3話分のネームが入っています。レベルが全体的に高いので、とてももったいないです。

■曽山一寿先生
はっきり言います。この漫画、面白いです。ただし、「ちゃんと読んだら」です。普通の読者は、面白さに気づけない 可能性が高いです。簡単に言えば、「つめこみすぎ」です。

■村瀬範行先生
主人公よりライバルのほうが、素直でカッコよく応援してしまいました。絵は躍動感もカメラワークも、素晴らしい。口出しできません。大変力のある方だと思います。

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「鉱石使いのラグ」スギミツ(26歳・東京都)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
鉱石とういネタは面白いが、素材を活かしきれていない感じがしました。少年の石を、もっと印象づけて描きましょう。少しでも混乱なく、読んでもらうのが理想です。

■松本しげのぶ先生
面白くて、一気に読めました。画面は、引きの絵が多いが破綻せず描かれていて、読みやすい。シンプルで迫力のあるセリフもよい。2話目が読みたいと思わされました。

■曽山一寿先生
作品全体の完成度が、すばらしいです! 僕が一番いいと思ったのは、22・23ページの見開き。読む人をビックリさせようと、読者を意識して描いているという事です。

■村瀬範行先生
とてもよく作られていると思います。こういうことだからこうなりましたという説明が、自然なエピソードとして展開されており、押しつけられた感なく楽しめます。

少年部門

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「Change & Lover」富士太郎(21歳・京都府)

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■あだち充先生
話の展開が素直過ぎます。もっともっとひねって悩んで苦しんで、自分だけのラブコメ見つけて下さい。

■高橋留美子先生
ヒロインの行動に興味が湧く良いつかみです。物語の展開にも変化があり、構成力のある作者だと思います。お互いの心情を吐露する場面がヤマ場かと思うのですが、もうひと工夫欲しかったです。全体には読み易く、読後感も良かったです。

■青山剛昌先生
とてもとても面白かった!! 扉絵の「嘘おおおおおお!」から笑いっ放しでした! ただ、大事なセリフを言ってるコマがメクリ(右ページの1コマ目)に来ていればもっと読者を引き込めたと思う。

■畑健二郎先生
馬鹿な高校生って感じの主人公と感情が見えないヒロインには好感が持てます。ただ、入りは良かったのですが、9ページ目くらいをピークに徐々に失速感があり、15ページ目のフラれてからは明らかにネタに詰まった感が否めず、もったいないなと感じました。

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「キューピッド失格者」いがらしゆうすけ(22歳・神奈川県)

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■あだち充先生
面倒な構図も背景もごまかす事なく人物の表情も豊かでよろしいのですが、鉛の矢の効力がよくわからなかった。

■高橋留美子先生
冒頭のモブ女子をヒロインと誤解してしまいました。ヒロインのキャラ説明をするならモブは複数もしくは引いた絵にするなり、差別化してください。また、男の子の良さを見せるエピソードを工夫するとクライマックスの見開きが効いてくると思います。

■青山剛昌先生
やりたいことわからんでもないけど、設定がわかりづらくて話に入りづらかった。「キューピッドが主人公以外の人にも見えてるの?」とか、「キューピッドのノルマを達成できなかったらどんなペナルティーがあるの?」とか…色々です。

■畑健二郎先生
空からの街の俯瞰が多い漫画で、背景の書き込みの手を抜かなかった点は好感度が高いです。ただ、全体的にキャラクターの魅力が乏しいとは思いました。序盤でもっとクピトのキャラを立たせることに成功していればドラマの印象は変わったと思います。

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「PM5:00」龍真(22歳・東京都)

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■あだち充先生
絵も話もインパクト大です。とりあえず「0」から「1」になりましたので、この「1」を「100」にする修練を…

■高橋留美子先生
シンプルなネタですが、画面作りがうまく、ドラマチックに見せる力のある作者だと思いました。絵ガラ的には少年漫画のキャラにしてはしぶいかなと。この話には合っているのですが。

■青山剛昌先生
コマ割りと構図が独特で、迫力があっって目をひいたけど、作中のセリフの「ええように言うんな」(20ページ目)とか「いや、よく考えたら鍋煮込みすぎい」とか意味がわからなくてのれなかった…結局、漫才のネタはこの2つだけだったし…次回作に期待です。

■畑健二郎先生
非常に難しい題材だと思います。不良たちの口に水を含ませるというのはいいアイディアだと思ったのですが、肝心のネタ部分は、はまり切れなかったです。熱量があって悪くはなかったと思うので今後に期待します。

青年部門

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「変な薔薇」鈴木友人(22歳・静岡県)

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■花沢健吾先生
絵柄がとても良かったです。繊細な心理描写もうまく描けていて作品に引き込まれました。

■石塚真一先生
表現がたくみでとても読みやすい作品でした。テーマも社会性があり、テーマに対する答えも今の人々を良く観察して導き出したと感じました。人間ドラマに長けた作者だと思います。次作を楽しみにしています。

■太田垣康男先生
正しいテーマで正しい物語だと思うが、予想通りの展開とオチにエンタメとしての魅力が乏しいと感じた。「宇宙人」を理解できない自分の限界に気づく客観性も含めて優等生の自由研究という印象。漫画はもっと破壊的なほうが魅力を増します。

■業田良家先生
一読して感動した。多くの人が自分の弱点を隠して普通であろうとしている。ふたりの主人公の障害を通して読者を励ます力を持った作品だ。人物の顔も美しい。

■浅野いにお先生
周囲の人々の独善的な行動を、読者があまり嫌悪感を抱かないように、あくまでフラットな目線で描かれているのが良いと思いました。主人公はじめ、各登場人物の表情も魅力的ですし、間の取り方も巧いです。一点気になったのは、ラスト6ページにわたる主人公の独白が蛇足気味に感じたこと。それまでの流れでだけでも十分に伝わる内容だったので、説明過多にせずにもっと余韻を意識した描写があると個人的には嬉しかったです。

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「日陰の芽」横川タナシ(30歳・千葉県)

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■花沢健吾先生
主人公には非常に厳しい現実の物語ですが絵柄のせいかスラスラと読めました。女性キャラが可愛いです。次は優しい世界の物語を読んでみたいです。

■石塚真一先生
人間に対する視点、社会に対する視点をしっかりと定めた上で物語を紡いでいます。絵、表情も丁寧で感情も豊かに表現されていました。骨太なドラマを創れる作者だと思います。

■太田垣康男先生
息が詰まる。だが希望に満ちた素晴らしい作品。底辺で足掻きながら落ちてゆく少年の眼はそれでも天を見つめ、心は階段の途中にある。冷たい現実と恐ろしい暴力に負けない宝石の様に美しいイメージに溢れた名作だと思う。末恐ろしい漫画家の登場を喜びたい。

■業田良家先生
テンポよくハラハラさせながらストーリーが展開して飽きさせない。主人公の体験にリアリティーを感じて胸が潰れる思いがした。階段の踊り場に「行き場のなさ」を感じた。

■浅野いにお先生
少し長めのページ数ですが、それでも内容を詰め込み過ぎだと思います。キャラは立っているのですが、これは連載用のプロットです。省略できるところは省略しましょう。絵柄が古いせいもあってかあまり現代に見えないので、台詞やビジュアル面でもっと今を意識して欲しいと思いました。とはいえしっかりとしたドラマを描くことはできる力量は感じました。

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「Bカメ」瀬澤ノブコ(24歳・東京都)

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■花沢健吾先生
愚直にまっすぐな作品で好感がもてる。主人公が飛んで撮ったシーンがどのような風になるのかと思っていたら特に何もなかった。実際に映画制作に携わっていた方なのかわからないけど、もう少し読者を引き込むネタなどあると尚良かったです。52pでも飽きさせず読ませる力があります。

■石塚真一先生
気持ちがこもった線、気持ちがこもった絵はグっときますね。物語も作者なりの芯があって気持ち良く読めました。俯瞰とアップのバランスもカメラマンの話というのもあってかとても上手い。グっとくる漫画でした。

■太田垣康男先生
夢を諦めず、粘り強く続ける事を改めて決意する主人公。その姿に作者の現在が色濃く反映されている。自分への応援歌。それ自体は悪くないが、商業漫画とは読者を楽しませる為にある。誰の為に漫画を描くのか。その根本に立ち返って改めて次の物語を描いて欲しい。技量はもう十分に備わっているのだから。

■業田良家先生
映画制作者たちの熱い思いがリアルに伝わってくる良いドラマになっている。松葉杖で現場に向かう見開きのシーンがかっこよくて主人公が好きになった。描き込みもすごくて迫力がある。夢と現実の困難さを力強く前向きに表現している。

■浅野いにお先生
熱のこもった作画で引き込まれました。ストーリー自体は素直な作りで大きな驚きはありませんでしたが、地に足がついた主人公の性格のおかげで、安心して読み進めることができました。とはいえ「夢を叶える」というテーマは新人が扱いがちなので、今後は独特な絵柄に負けないような独自性を感じさせるテーマを見つけて欲しいです。それとキャラクターの描き分けに関して、今作は髪型や眼鏡で一応の区別はつきましたが、スタンダードなキャラの顔造形は基本一緒のようなので若干わかりづらかったです。容姿の良いキャラも多様に描き分けるように工夫してください。

佳作

賞状、記念盾、副賞賞金30万円、受賞作収録本

児童部門

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「ウンコが登場したら即終了するマンガ」柴田直樹(22歳・東京都)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
タイトルから、面白いので、出だしから期待しました。1人目までは面白かったですが、後は同じようなネタで、ちょっと消化不良です。絵は、まだまだ勉強が必要です。

■松本しげのぶ先生
くだらなさに、笑ってしまいました。伝えるという、漫画で一番大切な技術が高い方なので、最後のオチは、もっと印象に残るアイデアをひねるべきだと思います。

■曽山一寿先生
面白かったです! ワンアイデアを、ここまでふくらませるのは、お見事!! 作者の方は、ギャグの作り方を体で覚 えてしまっているんでしょうね。すばらしいです!!

■村瀬範行先生
ウンコが出たら終了ですから、そこを意識して読んでくださいと読者に押しつけてしまっている印象です。仕掛け一つで、1本描いてみるという姿勢は好感が持てます。

少年部門

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「名無しの名画」気晴すぅ(25歳・神奈川県)

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■あだち充先生
自分の描きたいシーンに力が入るのは当然ですが、病弱な母親とのシーンも物語の大切な要素なので手を抜かないで下さい。

■高橋留美子先生
前半の主人公とヒロインの絡みが、主人公のモノローグ中心な上、強引な感じがして物語の流れが良くありません。主人公の最後の絵にヒロインが感銘を受けるくだり、なにかもうひとつ足りないような。「きれい」と言う前に、もうひと押しあれば説得力が出るかも。

■青山剛昌先生
ラストの数ページはとても迫力があって面白かった! ただ、状況説明が上手くない。21ページでは誰が絵を破っているのかわからなかったし、14ページも家に帰ったのならその家の外観を描かないと読者はイメージしづらい。

■畑健二郎先生
構図の取り方が上手で、とても絵力があると思います。ただ、残念な点として『星彩画』というものの設定が序盤で上手く読者に説明できておらず分かりにくくなってしまっていました。

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「アンラッキーヒロイン」城奈(22歳・茨城県)

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■あだち充先生
ヒロインの“ラッキースケベ”の体質がよくわからないけど、Hなシーンの作者のこだわりはよーくわかりました。

■高橋留美子先生
絵はかわいいし、こういうジャンルを目指すなら武器になると思います。ただ、その中で目立っていくならば、キャラクターの内面をさらに魅力的に磨く必要があります。

■青山剛昌先生
女の子かわいいし、うまい具合にHだし、とても読みやすかったんだけど、それ以上のモノが何か欲しかった。黒子のアイディアはおもろかったけど…(笑)。あと、王子様の顔とか、ちゃんと描いた方がいいと思う。ラストの主人公のセリフはかなり好きかも。

■畑健二郎先生
分かりやすくて良かったと思います。ただ、ちょっと無駄な描写が多いなぁと思いましたし、画力についてもあと一歩改善した方がいいと思います。今後も我が道を進んで、より可愛い女の子が描けるよう頑張ってください。

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「少女事変」みつたに(16歳・岐阜県)

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■あだち充先生
まだまだ乱暴な才能ですが、年齢を考えると可能性の大きさに思えます。とにかく今はガムシャラに描きまくって欲しい人です。

■高橋留美子先生
インパクトのある作風です。伸びしろを感じるので、たくさん描いて画面作りに慣れてください。少女のファーストシーン、角度に凝り過ぎて腕がもげている様子が伝わらないため、「生えた」事も伝わりません。見せるべき事をちゃんと見せてください。

■青山剛昌先生
すごく独特の雰囲気があってストーリーに引き込まれるんだけど、とにもかくにもわかり辛い!! 女の子の腕が切断されてたのもわからないし、冒頭の説明文も何度読んでもわからない(笑)。あと、ちゃんと背景を描いて、主人公達が今どこにいるのかを説明しないと話に乗れないよ。

■畑健二郎先生
説明不足の設定、荒くて状況が分からない絵、読者を置いてけぼりにする理解が難しいストーリーなど、マイナス要素はたくさんあるのですが、それら全部含めて若さのほとばしりを見た気がして面白かったです。今後もアクセル全開の作品を期待しています。

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「清くんの潔癖事情」増田(21歳・神奈川県)

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■あだち充先生
バレバレのオチでも構わないのですが、前半にチラッとでも財閥男のいい所を見せておくと、もっとメデタシメデタシのラストになった気が…

■高橋留美子先生
絵は魅力的です。その分、泥棒の女の子に過度の期待をしてしまいました。どうせなら絵に見合った形で主人公と渡り合ってくれると、読みごたえがあったかと思います。オチも、かなり早く予想がつきました。ラスト前にもうひとひねり欲しいです。

■青山剛昌先生
潔癖症の割には色々物や人に触わってたなぁ…って印象です(笑)。「土足で家に入られたくなかったら、もっとセキュリティーを完備してよ…」とも思う。こういうのは読者に「え――そこまで潔癖!?」って思わせなきゃ(笑)。

■畑健二郎先生
唐突に現れた大泥棒や、潔癖症という設定をプラスにもマイナスにも自由自在に使っている点や、ヒロインの明るいキャラクター性など、非常に少年漫画らしいコメディーで良かったです。画力を鍛えていけばもっといい漫画が描けると思います。

少女・女性部門

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「キミだけのfunny☆smile!!」喜瀬りっか(22歳・福岡県)特別育成金 33万円

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■岩本ナオ先生
よくまとまっていますが、「女の子がピエロとして成長するお話」だと、読者が次も読んでくれるか難しいです。絵や見せ方は文句なく上手いので、プロになるならお客さんの見たいもの(ラブエピソード等)を意識してみて。

■宇佐美真紀先生
笑顔がほんとに怖くて思わず笑いました。絵や画面作りも綺麗で可愛い。ストーリーも人を笑顔にしたい、笑顔が苦手な女の子というのが伝わりやすい作品になっており、魅力的なキャラクターが描けていていいと思います。

■水瀬藍先生
絵がとても上手でプロレベル。キャラクターも生き生きとしていて読みながらずっとわくわくしていました。お話の軸もしっかりとしていて最後まで楽しく読みました。面白かったです!

■やぶうち優先生
絵が可愛くて魅力的。目の描き方は好みがわかれると思うので、より多くの読者が好む描き方を取り入れレベルアップを図ってみては。お話も面白いですが、ラストで二人の会話がもうちょっとあるとよかったと思いました。

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「天使と悪魔のララバイ」雪下よよ(22歳・滋賀県)特別育成金 33万円

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■岩本ナオ先生
キャラがちゃんと立ってたのがすごい。26Pからの見せ場などをもう少し上手く見せられたら満点なんじゃないでしょうか。絵も可愛く、俯瞰やアオリも上手いので、もっと絵の勉強をしたら描ける幅が広がると思います。

■宇佐美真紀先生
絵が上手く画面も見やすく読みやすい。特殊な設定なので疑問に思う部分もあるけど(子供を守るのはどの程度までか等)最後まで読ませる力はあります。もっとシンプルな設定やキャラの掛け合いが印象的な作品にも挑戦を。

■水瀬藍先生
絵柄が魅力的! 特に男性がとてもかっこいいです。設定も展開もわくわくしたのですが少し物足りない印象。ヒロインの感情の起伏をもっと大きくするとさらによいと思います。

■やぶうち優先生
画面構成はプロ級。キャラも魅力的で、面白く読めました。ただストーリーは設定を欲張りすぎてやや散漫な印象。掘り下げが甘いため薄く感じ、ラストも唐突。ページ数から逆算して必要ない設定やシーンは削る工夫を。

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「君との距離」松田みさと(28歳・東京都)特別育成金 33万円

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■岩本ナオ先生
一つ一つのエピソードは悪くないです。ただ、32Pあって名前を呼ばれただけで腰抜かして終わってたら、読者も気持ちの持って行き場がないです。もっと読者がこのまんがを読んでどう感じるかを意識してみてください。

■宇佐美真紀先生
絵や画面はプロレベルに綺麗で読みやすかったです。ストーリーの中で起こることが、少女まんがにしてみると少し些細なこと過ぎる気もします。もう少し読んでいる側にも予想どおりでない何かが欲しいような気がします。

■水瀬藍先生
絵がとても上手で読みやすいです。エピソードが一つ一つ丁寧で心理描写もリアルで細かくて大変よいのですが、全体的に淡々としてしまっています。それを積み重ねて盛り上げる意識を。

■やぶうち優先生
ストーリーはありきたりながらオリジナリティのあるエピソードに好感が持てました。ただ、コマ割りと画面の処理が単調で絵の上手さを生かしきれていない感じ。読者を魅せる”ことを意識すると、ぐっとよくなるのでは。

青年部門

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「アンダンテ」小島有賀(22歳・兵庫県)

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■花沢健吾先生
非常に丁寧にキャラクターの感情の機微を描けていました。欲を言えば、ピアノ演奏シーンに漫画ならではの表現方法を模索できれば、ワンランク上の作品になったと思います。また色々な作品を読んでみたいと思わせる力量を感じました。

■石塚真一先生
落しどころの難しそうなテーマを作者なりの物語の運びでラストまで描き切りました。絵も丁寧です。こういうタッチの絵は時間がかかっていると想像します。ナイスファイトです! !

■太田垣康男先生
私も新人の頃、天才と称される同期と比べ自分が平凡だと感じとても辛かった。それでも出来る事と言えばただ愚直に漫画を描き続けるだけ。作者の気持ちは実に良く分かります。が、主人公が自己憐憫の傍観者では読者を楽しませる事は出来ません。下手な漫画でも良いから、自分を慰めるより読者を楽しませる事を第一に。

■業田良家先生
天才と凡人のそれぞれの苦悩。そんな難しいテーマを無駄なく構成して短編としてきっちり完成させている。作者の力量を感じた。

■浅野いにお先生
突出した問題があるわけではないのですが、全編通してまさに「普通」といった印象の作品でした。個人的には母親にもっとフォーカスして、彼女の本音や葛藤を引き出して欲しかったです。そうすれば自ずと物語に深みが出来たのではないでしょうか。良くも悪くもないという評価は新人にとって何かと損だと思われるので、自分にしか描けない何かしらの新規性を感じさせるような作品作りを目指してはいかがでしょうか。

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「赤いべべきた可愛い子」湯中鯛(21歳・埼玉県)

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■花沢健吾先生
独特の世界観でしたが、自分の予想を超える方向には行かなかったです。主人公の感情の起伏とストーリー展開にちょっと読者が置いてきぼりになる感じでした。読解力のある読者が非常に多いのが日本の漫画界の美点であり先人達が築き上げてきた文化ですが、それでも丁寧な作品作りを心がけて欲しいです。

■石塚真一先生
自由な発想と世界観が展開されています。感情の動きも豊かです。作者らしさが前面に出ている作品はアートに触れている感覚すらありました。柔軟な発想のまま進んでいって欲しいと思います。

■太田垣康男先生
読み終えた時に私自身も「少年の心を理解出来ない周りの大人たち」の1人だと感じ、作者との溝を感じた。少年と通じ合うのは金魚とボケたおばあちゃんだけ。それは作者の世界を象徴している。通じ合える他人が増えて欲しいと願うだけだ。

■業田良家先生
作者が何を伝えたかったのか私には分からなかったが、作者の持っている童心と空想力は強く感じた。

■浅野いにお先生
独特な感性で描かれた作品で非常に個性的だとは思うのですが、いかんせんちぐはぐな箇所が多く、特にラストに関してはこちらの理解力云々以前に完全な説明不足だと思います。所々会話が噛み合っていない箇所もあり、主人公の身勝手に振り回されている感覚に陥りました。不思議な世界観を描くのは良いと思うのですが、「主人公の妄想」で全て片づいてしまうような内容ではなく、もっと多くの読者が納得できるような説得力を持たせてください。

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「Teenage Dirtbag」くそごり(27歳・東京都)

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■花沢健吾先生
クセのある絵柄ですが、嫌われない絶妙なバランスがある気がします。アイデアも良かったのでもう少し掘り下げるなど、意外性が欲しかった。女の子ももう少しキャラが見えてくると、この作品世界に浸れたと思います。

■石塚真一先生
笑いました。明るいタッチで“今”を切り取った作品だと思いました。どのキャラクターにも共感が持てる。「キャラクターに共感させる力」がこの作者の持ち味だと思います。この方向でゴーで! !

■太田垣康男先生
これは女性の人格を見ないで外見だけを追うストーカーの心理。自己中で暴走する少年に私は共感できない。彼が犯した重罪を罰する事なく物語を終えた作者は、この罪の重さを全く理解していないのだろう。非常に残念だ。

■業田良家先生
青春時代の妄想、恋心の暴走を新しい設定で巧く表現している。オチもちゃんとついて面白かった。描線も表現も漫画らしくて好感を持てる。

■浅野いにお先生
キャラの造形は可愛いのですが、内容に物足りなさを感じるのでせいぜい20ページが妥当かと思います。セリフは自然で良いのですが、キャラが動いたり何かしらのアクションを起こすと途端に読み辛くなるので、コマ割りや構図で位置関係や状況がきちんと読者に伝わるように工夫してください。特に走ってるシーンはモブのセリフに頼りすぎです。後半は主人公のモノローグのみで展開する一本調子、且つ自己完結で終わっているので、作品としての満足度を上げるために、人と人が影響されあって変化する人間ドラマを盛り込んで欲しいです。

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「変体と夜」小雀入内(18歳・大分県)

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■花沢健吾先生
独特な絵柄と内容でちょっと読者を置いてきぼりにしていますが、それも個性と捉えることが出来そう。何本かショート作品を読んで作者の才能を見極めたいです。この作品だけだと中々判断がつかないところです。

■石塚真一先生
楽しい作品! ! 言葉で言い表せない魅力があります。昔話を読んでいるような感覚になる不思議な作品です。こういうの好きです。

■太田垣康男先生
孤独な少女に自己を重ねて傷の舐め合いをしたかった少年。しかし少女はワニと交わり昇天する。性のメタファーは面白くメルヘンな内容だが、少年の独善的な心情の吐露が不快。

■業田良家先生
ワニが出てくるシーンで話に引き込まれた。「君が僕の初めての美しい光景なんだ」等いくつか詩的で光るネームがある。作者の18歳の瑞々しい感受性に可能性を感じた。

■浅野いにお先生
この方が今後どんな作品を描くのか、そもそもこれからも漫画を描く気があるのかが気になってかなり甘めの点数をつけました。ストーリーに関しては特に何も感想はないのですが、随所に見られる映像的な演出は魅力的でした。ただ、野球の?ボールがぶつかる瞬間くらいはちゃんと描いてください。こういった拗らせたティーンのモゾモゾとした恋愛というものも昨今ずいぶんとありふれてきたように思えるので、先駆者たちとどう差別化していくかも考えて欲しいです。

奨励金

10万円

児童部門

「ダンス☆ダンス インベーダー」松本しげる(24歳・大阪府)

「天使と悪魔と…!?」山鷹景(19歳・埼玉県)

少女・女性部門

「君の輪郭をなぞる」すばる(17歳・東京都)

「カウントテン」七森ちぃせ(19歳・岡山県)

「可愛いなんて言わないで」宮まゆこ(25歳・東京都)

「ガールズポリス」夏目 零(15歳・福岡県)

児童部門

入選

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「マジックリング」大円坊真(24歳・東京都)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
大作ですね。面白く読めましたが、課題も多い。この話 をページ数に収めるには、無理があるように思います。1つのコマに情報をつめこみすぎると、読者は混乱します。

■松本しげのぶ先生
描きたい、伝えたいことがあふれすぎていて、つめすぎになっています。話も3話分のネームが入っています。レベルが全体的に高いので、とてももったいないです。

■曽山一寿先生
はっきり言います。この漫画、面白いです。ただし、「ちゃんと読んだら」です。普通の読者は、面白さに気づけない 可能性が高いです。簡単に言えば、「つめこみすぎ」です。

■村瀬範行先生
主人公よりライバルのほうが、素直でカッコよく応援してしまいました。絵は躍動感もカメラワークも、素晴らしい。口出しできません。大変力のある方だと思います。

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「鉱石使いのラグ」スギミツ(26歳・東京都)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
鉱石とういネタは面白いが、素材を活かしきれていない感じがしました。少年の石を、もっと印象づけて描きましょう。少しでも混乱なく、読んでもらうのが理想です。

■松本しげのぶ先生
面白くて、一気に読めました。画面は、引きの絵が多いが破綻せず描かれていて、読みやすい。シンプルで迫力のあるセリフもよい。2話目が読みたいと思わされました。

■曽山一寿先生
作品全体の完成度が、すばらしいです! 僕が一番いいと思ったのは、22・23ページの見開き。読む人をビックリさせようと、読者を意識して描いているという事です。

■村瀬範行先生
とてもよく作られていると思います。こういうことだからこうなりましたという説明が、自然なエピソードとして展開されており、押しつけられた感なく楽しめます。

佳作

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「ウンコが登場したら即終了するマンガ」柴田直樹(22歳・東京都)特別育成金 33万円

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■むぎわらしんたろう先生
タイトルから、面白いので、出だしから期待しました。1人目までは面白かったですが、後は同じようなネタで、ちょっと消化不良です。絵は、まだまだ勉強が必要です。

■松本しげのぶ先生
くだらなさに、笑ってしまいました。伝えるという、漫画で一番大切な技術が高い方なので、最後のオチは、もっと印象に残るアイデアをひねるべきだと思います。

■曽山一寿先生
面白かったです! ワンアイデアを、ここまでふくらませるのは、お見事!! 作者の方は、ギャグの作り方を体で覚 えてしまっているんでしょうね。すばらしいです!!

■村瀬範行先生
ウンコが出たら終了ですから、そこを意識して読んでくださいと読者に押しつけてしまっている印象です。仕掛け一つで、1本描いてみるという姿勢は好感が持てます。

少年部門

大賞

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「ローリング・ウィズ・ユー」Arata(25歳・栃木県)

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■あだち充先生
話的には細かい部分で引っかかるところもあるのですが、味のある絵柄と語り口で後味良し!

■高橋留美子先生
今回一番良かったです。絵ガラは地味ですが、流れが自然でモノローグも的確ですし、色々な心情が良く描けていて、「ユー」の明るさも、この先この「子」はどうなるのか気になって最後まで読ませる良い効果になりました。

■青山剛昌先生
ユーと主人公の心が少しずつ近づいていく様子がていねいに描かれていて、電池が切れたユーをサッカーボールの転がった軌道で見つける所とか、グッときた!ただ、ユーの体が出来て学校に来た後でも、まだ研究所の人に追われているのが謎だったけど…(笑)。

■畑健二郎先生
哲学的な雰囲気と明るい画風は良かったと思います。ただ、内容があまりに抽象的で、提示されてる問題と解決に『理由』が明示されておらず、理解にまでは至りませんでした。次に何かを描くときは、自分は何が描きたいのか? それはどうすれば読者に伝わるのか? それをしっかり考えたうえで描いてみてください。

入選

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「Change & Lover」富士太郎(21歳・京都府)

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■あだち充先生
話の展開が素直過ぎます。もっともっとひねって悩んで苦しんで、自分だけのラブコメ見つけて下さい。

■高橋留美子先生
ヒロインの行動に興味が湧く良いつかみです。物語の展開にも変化があり、構成力のある作者だと思います。お互いの心情を吐露する場面がヤマ場かと思うのですが、もうひと工夫欲しかったです。全体には読み易く、読後感も良かったです。

■青山剛昌先生
とてもとても面白かった!! 扉絵の「嘘おおおおおお!」から笑いっ放しでした! ただ、大事なセリフを言ってるコマがメクリ(右ページの1コマ目)に来ていればもっと読者を引き込めたと思う。

■畑健二郎先生
馬鹿な高校生って感じの主人公と感情が見えないヒロインには好感が持てます。ただ、入りは良かったのですが、9ページ目くらいをピークに徐々に失速感があり、15ページ目のフラれてからは明らかにネタに詰まった感が否めず、もったいないなと感じました。

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「キューピッド失格者」いがらしゆうすけ(22歳・神奈川県)

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■あだち充先生
面倒な構図も背景もごまかす事なく人物の表情も豊かでよろしいのですが、鉛の矢の効力がよくわからなかった。

■高橋留美子先生
冒頭のモブ女子をヒロインと誤解してしまいました。ヒロインのキャラ説明をするならモブは複数もしくは引いた絵にするなり、差別化してください。また、男の子の良さを見せるエピソードを工夫するとクライマックスの見開きが効いてくると思います。

■青山剛昌先生
やりたいことわからんでもないけど、設定がわかりづらくて話に入りづらかった。「キューピッドが主人公以外の人にも見えてるの?」とか、「キューピッドのノルマを達成できなかったらどんなペナルティーがあるの?」とか…色々です。

■畑健二郎先生
空からの街の俯瞰が多い漫画で、背景の書き込みの手を抜かなかった点は好感度が高いです。ただ、全体的にキャラクターの魅力が乏しいとは思いました。序盤でもっとクピトのキャラを立たせることに成功していればドラマの印象は変わったと思います。

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「PM5:00」龍真(22歳・東京都)

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■あだち充先生
絵も話もインパクト大です。とりあえず「0」から「1」になりましたので、この「1」を「100」にする修練を…

■高橋留美子先生
シンプルなネタですが、画面作りがうまく、ドラマチックに見せる力のある作者だと思いました。絵ガラ的には少年漫画のキャラにしてはしぶいかなと。この話には合っているのですが。

■青山剛昌先生
コマ割りと構図が独特で、迫力があっって目をひいたけど、作中のセリフの「ええように言うんな」(20ページ目)とか「いや、よく考えたら鍋煮込みすぎい」とか意味がわからなくてのれなかった…結局、漫才のネタはこの2つだけだったし…次回作に期待です。

■畑健二郎先生
非常に難しい題材だと思います。不良たちの口に水を含ませるというのはいいアイディアだと思ったのですが、肝心のネタ部分は、はまり切れなかったです。熱量があって悪くはなかったと思うので今後に期待します。

佳作

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「名無しの名画」気晴すぅ(25歳・神奈川県)

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■あだち充先生
自分の描きたいシーンに力が入るのは当然ですが、病弱な母親とのシーンも物語の大切な要素なので手を抜かないで下さい。

■高橋留美子先生
前半の主人公とヒロインの絡みが、主人公のモノローグ中心な上、強引な感じがして物語の流れが良くありません。主人公の最後の絵にヒロインが感銘を受けるくだり、なにかもうひとつ足りないような。「きれい」と言う前に、もうひと押しあれば説得力が出るかも。

■青山剛昌先生
ラストの数ページはとても迫力があって面白かった! ただ、状況説明が上手くない。21ページでは誰が絵を破っているのかわからなかったし、14ページも家に帰ったのならその家の外観を描かないと読者はイメージしづらい。

■畑健二郎先生
構図の取り方が上手で、とても絵力があると思います。ただ、残念な点として『星彩画』というものの設定が序盤で上手く読者に説明できておらず分かりにくくなってしまっていました。

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「アンラッキーヒロイン」城奈(22歳・茨城県)

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■あだち充先生
ヒロインの“ラッキースケベ”の体質がよくわからないけど、Hなシーンの作者のこだわりはよーくわかりました。

■高橋留美子先生
絵はかわいいし、こういうジャンルを目指すなら武器になると思います。ただ、その中で目立っていくならば、キャラクターの内面をさらに魅力的に磨く必要があります。

■青山剛昌先生
女の子かわいいし、うまい具合にHだし、とても読みやすかったんだけど、それ以上のモノが何か欲しかった。黒子のアイディアはおもろかったけど…(笑)。あと、王子様の顔とか、ちゃんと描いた方がいいと思う。ラストの主人公のセリフはかなり好きかも。

■畑健二郎先生
分かりやすくて良かったと思います。ただ、ちょっと無駄な描写が多いなぁと思いましたし、画力についてもあと一歩改善した方がいいと思います。今後も我が道を進んで、より可愛い女の子が描けるよう頑張ってください。

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「少女事変」みつたに(16歳・岐阜県)

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■あだち充先生
まだまだ乱暴な才能ですが、年齢を考えると可能性の大きさに思えます。とにかく今はガムシャラに描きまくって欲しい人です。

■高橋留美子先生
インパクトのある作風です。伸びしろを感じるので、たくさん描いて画面作りに慣れてください。少女のファーストシーン、角度に凝り過ぎて腕がもげている様子が伝わらないため、「生えた」事も伝わりません。見せるべき事をちゃんと見せてください。

■青山剛昌先生
すごく独特の雰囲気があってストーリーに引き込まれるんだけど、とにもかくにもわかり辛い!! 女の子の腕が切断されてたのもわからないし、冒頭の説明文も何度読んでもわからない(笑)。あと、ちゃんと背景を描いて、主人公達が今どこにいるのかを説明しないと話に乗れないよ。

■畑健二郎先生
説明不足の設定、荒くて状況が分からない絵、読者を置いてけぼりにする理解が難しいストーリーなど、マイナス要素はたくさんあるのですが、それら全部含めて若さのほとばしりを見た気がして面白かったです。今後もアクセル全開の作品を期待しています。

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「清くんの潔癖事情」増田(21歳・神奈川県)

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■あだち充先生
バレバレのオチでも構わないのですが、前半にチラッとでも財閥男のいい所を見せておくと、もっとメデタシメデタシのラストになった気が…

■高橋留美子先生
絵は魅力的です。その分、泥棒の女の子に過度の期待をしてしまいました。どうせなら絵に見合った形で主人公と渡り合ってくれると、読みごたえがあったかと思います。オチも、かなり早く予想がつきました。ラスト前にもうひとひねり欲しいです。

■青山剛昌先生
潔癖症の割には色々物や人に触わってたなぁ…って印象です(笑)。「土足で家に入られたくなかったら、もっとセキュリティーを完備してよ…」とも思う。こういうのは読者に「え――そこまで潔癖!?」って思わせなきゃ(笑)。

■畑健二郎先生
唐突に現れた大泥棒や、潔癖症という設定をプラスにもマイナスにも自由自在に使っている点や、ヒロインの明るいキャラクター性など、非常に少年漫画らしいコメディーで良かったです。画力を鍛えていけばもっといい漫画が描けると思います。

少女・女性部門

佳作

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「キミだけのfunny☆smile!!」喜瀬りっか(22歳・福岡県)特別育成金 33万円

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■岩本ナオ先生
よくまとまっていますが、「女の子がピエロとして成長するお話」だと、読者が次も読んでくれるか難しいです。絵や見せ方は文句なく上手いので、プロになるならお客さんの見たいもの(ラブエピソード等)を意識してみて。

■宇佐美真紀先生
笑顔がほんとに怖くて思わず笑いました。絵や画面作りも綺麗で可愛い。ストーリーも人を笑顔にしたい、笑顔が苦手な女の子というのが伝わりやすい作品になっており、魅力的なキャラクターが描けていていいと思います。

■水瀬藍先生
絵がとても上手でプロレベル。キャラクターも生き生きとしていて読みながらずっとわくわくしていました。お話の軸もしっかりとしていて最後まで楽しく読みました。面白かったです!

■やぶうち優先生
絵が可愛くて魅力的。目の描き方は好みがわかれると思うので、より多くの読者が好む描き方を取り入れレベルアップを図ってみては。お話も面白いですが、ラストで二人の会話がもうちょっとあるとよかったと思いました。

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「天使と悪魔のララバイ」雪下よよ(22歳・滋賀県)特別育成金 33万円

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■岩本ナオ先生
キャラがちゃんと立ってたのがすごい。26Pからの見せ場などをもう少し上手く見せられたら満点なんじゃないでしょうか。絵も可愛く、俯瞰やアオリも上手いので、もっと絵の勉強をしたら描ける幅が広がると思います。

■宇佐美真紀先生
絵が上手く画面も見やすく読みやすい。特殊な設定なので疑問に思う部分もあるけど(子供を守るのはどの程度までか等)最後まで読ませる力はあります。もっとシンプルな設定やキャラの掛け合いが印象的な作品にも挑戦を。

■水瀬藍先生
絵柄が魅力的! 特に男性がとてもかっこいいです。設定も展開もわくわくしたのですが少し物足りない印象。ヒロインの感情の起伏をもっと大きくするとさらによいと思います。

■やぶうち優先生
画面構成はプロ級。キャラも魅力的で、面白く読めました。ただストーリーは設定を欲張りすぎてやや散漫な印象。掘り下げが甘いため薄く感じ、ラストも唐突。ページ数から逆算して必要ない設定やシーンは削る工夫を。

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「君との距離」松田みさと(28歳・東京都)特別育成金 33万円

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■岩本ナオ先生
一つ一つのエピソードは悪くないです。ただ、32Pあって名前を呼ばれただけで腰抜かして終わってたら、読者も気持ちの持って行き場がないです。もっと読者がこのまんがを読んでどう感じるかを意識してみてください。

■宇佐美真紀先生
絵や画面はプロレベルに綺麗で読みやすかったです。ストーリーの中で起こることが、少女まんがにしてみると少し些細なこと過ぎる気もします。もう少し読んでいる側にも予想どおりでない何かが欲しいような気がします。

■水瀬藍先生
絵がとても上手で読みやすいです。エピソードが一つ一つ丁寧で心理描写もリアルで細かくて大変よいのですが、全体的に淡々としてしまっています。それを積み重ねて盛り上げる意識を。

■やぶうち優先生
ストーリーはありきたりながらオリジナリティのあるエピソードに好感が持てました。ただ、コマ割りと画面の処理が単調で絵の上手さを生かしきれていない感じ。読者を魅せる”ことを意識すると、ぐっとよくなるのでは。

青年部門

大賞

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「GIANT TORTOISE KILLING」南賀なん(22歳・兵庫県)

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■花沢健吾先生
94ページと長編ですがバランスの良い絵柄、コマ割りの上手い起伏などで全く飽きさせず読ませてもらった。大ゴマ表現も非常にレベル高いです。これならもう少し膨らませて単行本1巻分でも描いたほうが良い気がしました。年齢が全てではもちろんありませんがこのレベルが22歳で描けてしまっているので、さっさとプロになって欲しいです。賞に出すこともないです。

■石塚真一先生
キャラクターの表現が実に豊かです。ダイナミックな設定の物語も作者の画力によって違和感なく読み進められました。物語によって何かが前に向いたり、救われる気持ちになるのは良いモノだなと改めて感じる作品でした。

■太田垣康男先生
ストーリー構成の巧さ、キャラクターの心情の的確さ、作画力の高さ、何より漫画が持つエンタメの魅力が詰まった力作! 怪獣vs女子高生という大バカなネタを力技で感動に持って行く作家性も大いに評価したい! 設定面での詰めの甘さは今後編集者と打ち合わせを重ねる事で克服して欲しい。

■業田良家先生
94ページの大作!「タカガメ」がコロナや大災害、社会的困難を象徴していて深い。戦闘シーンも迫力があって良い。困難に立ち向かう勇気を読者に喚起する力がある作品だ。

■浅野いにお先生
大変な力作だと思うのですが、まずもってページが多過ぎます。また全くリアリティがないので終始ついていけませんでした。災害を暗喩した「何か」と「日常」というモチーフは、自分も同じような漫画を描いているので言及しづらい部分もありますが、ちょっと許容できないレベルのご都合展開が多かったです。アクションシーンは雑な構図も多かったですが、迫力のある見開きには才能を感じました。日常パートも良かったです。ただなんでもありの展開が過ぎて日常パートがおまけのようになってしまったのが残念です。

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「ア・ピリオド・イン・ウィンター」岩崎 真(29歳・東京都)

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■花沢健吾先生
非常に魅力的な絵柄で、淡々と複雑な家族の心理を巧みに描いていました。兄と妹、そして母の説明が省略されているので、その関係性を理解するのに少し時間がかかりますが、それも説明の多すぎる作品よりは良い気がします。早く色々な作品を読みたいです。

■石塚真一先生
作者流の絵、作者流の間、雰囲気、物語運び、素晴らしい。人の所作、機微をとらえる作者の目線、表現力も一流だと思います。ドラマで出来そうで、でもやはりこの作者の絵で読みたいと思わせる素晴らしい漫画です。時間がかかっても良いので、次作を強く期待します。

■太田垣康男先生
淡々とした描写と物語が、愛する気持ちと、それを伝える難しさを実に適切に表現している。母と娘が喧嘩する場面、あの断絶を繋いだお兄さんの存在が光る。この空気感は体験した人にしか描けない個人的な漫画だからこそ、普遍的なテーマを内包しているのだろう。読み終えた後、私には真っ白な扉絵が陽光に照らされる一面の雪景色に見えた。タイトルも実に素晴らしい。

■業田良家先生
親子関係の難しさ、自然に愛し接することの困難を静かな筆致で見事に表現している。終わり方も救いがあって良い。

■浅野いにお先生
永遠に曇りの日が続いているような閉塞感を感じました。繊細さがひしひしと伝わってくる良い作品です。特に親子が食事をした後に喧嘩をするシーンは、静かな中にも激しく感情が動く出色な出来でした。全体の構成も過不足なく読み進められる整ったものでしたが、強いて言うなら最終的に母と娘の関係性にどういう変化が起きたのかを、添い寝の描写だけに留めずもう一歩突っ込んだわかりやすい説明があれば、より印象に残る作品になったのかなと思います。

入選

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「変な薔薇」鈴木友人(22歳・静岡県)

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■花沢健吾先生
絵柄がとても良かったです。繊細な心理描写もうまく描けていて作品に引き込まれました。

■石塚真一先生
表現がたくみでとても読みやすい作品でした。テーマも社会性があり、テーマに対する答えも今の人々を良く観察して導き出したと感じました。人間ドラマに長けた作者だと思います。次作を楽しみにしています。

■太田垣康男先生
正しいテーマで正しい物語だと思うが、予想通りの展開とオチにエンタメとしての魅力が乏しいと感じた。「宇宙人」を理解できない自分の限界に気づく客観性も含めて優等生の自由研究という印象。漫画はもっと破壊的なほうが魅力を増します。

■業田良家先生
一読して感動した。多くの人が自分の弱点を隠して普通であろうとしている。ふたりの主人公の障害を通して読者を励ます力を持った作品だ。人物の顔も美しい。

■浅野いにお先生
周囲の人々の独善的な行動を、読者があまり嫌悪感を抱かないように、あくまでフラットな目線で描かれているのが良いと思いました。主人公はじめ、各登場人物の表情も魅力的ですし、間の取り方も巧いです。一点気になったのは、ラスト6ページにわたる主人公の独白が蛇足気味に感じたこと。それまでの流れでだけでも十分に伝わる内容だったので、説明過多にせずにもっと余韻を意識した描写があると個人的には嬉しかったです。

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「日陰の芽」横川タナシ(30歳・千葉県)

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■花沢健吾先生
主人公には非常に厳しい現実の物語ですが絵柄のせいかスラスラと読めました。女性キャラが可愛いです。次は優しい世界の物語を読んでみたいです。

■石塚真一先生
人間に対する視点、社会に対する視点をしっかりと定めた上で物語を紡いでいます。絵、表情も丁寧で感情も豊かに表現されていました。骨太なドラマを創れる作者だと思います。

■太田垣康男先生
息が詰まる。だが希望に満ちた素晴らしい作品。底辺で足掻きながら落ちてゆく少年の眼はそれでも天を見つめ、心は階段の途中にある。冷たい現実と恐ろしい暴力に負けない宝石の様に美しいイメージに溢れた名作だと思う。末恐ろしい漫画家の登場を喜びたい。

■業田良家先生
テンポよくハラハラさせながらストーリーが展開して飽きさせない。主人公の体験にリアリティーを感じて胸が潰れる思いがした。階段の踊り場に「行き場のなさ」を感じた。

■浅野いにお先生
少し長めのページ数ですが、それでも内容を詰め込み過ぎだと思います。キャラは立っているのですが、これは連載用のプロットです。省略できるところは省略しましょう。絵柄が古いせいもあってかあまり現代に見えないので、台詞やビジュアル面でもっと今を意識して欲しいと思いました。とはいえしっかりとしたドラマを描くことはできる力量は感じました。

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「Bカメ」瀬澤ノブコ(24歳・東京都)

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■花沢健吾先生
愚直にまっすぐな作品で好感がもてる。主人公が飛んで撮ったシーンがどのような風になるのかと思っていたら特に何もなかった。実際に映画制作に携わっていた方なのかわからないけど、もう少し読者を引き込むネタなどあると尚良かったです。52pでも飽きさせず読ませる力があります。

■石塚真一先生
気持ちがこもった線、気持ちがこもった絵はグっときますね。物語も作者なりの芯があって気持ち良く読めました。俯瞰とアップのバランスもカメラマンの話というのもあってかとても上手い。グっとくる漫画でした。

■太田垣康男先生
夢を諦めず、粘り強く続ける事を改めて決意する主人公。その姿に作者の現在が色濃く反映されている。自分への応援歌。それ自体は悪くないが、商業漫画とは読者を楽しませる為にある。誰の為に漫画を描くのか。その根本に立ち返って改めて次の物語を描いて欲しい。技量はもう十分に備わっているのだから。

■業田良家先生
映画制作者たちの熱い思いがリアルに伝わってくる良いドラマになっている。松葉杖で現場に向かう見開きのシーンがかっこよくて主人公が好きになった。描き込みもすごくて迫力がある。夢と現実の困難さを力強く前向きに表現している。

■浅野いにお先生
熱のこもった作画で引き込まれました。ストーリー自体は素直な作りで大きな驚きはありませんでしたが、地に足がついた主人公の性格のおかげで、安心して読み進めることができました。とはいえ「夢を叶える」というテーマは新人が扱いがちなので、今後は独特な絵柄に負けないような独自性を感じさせるテーマを見つけて欲しいです。それとキャラクターの描き分けに関して、今作は髪型や眼鏡で一応の区別はつきましたが、スタンダードなキャラの顔造形は基本一緒のようなので若干わかりづらかったです。容姿の良いキャラも多様に描き分けるように工夫してください。

佳作

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「アンダンテ」小島有賀(22歳・兵庫県)

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■花沢健吾先生
非常に丁寧にキャラクターの感情の機微を描けていました。欲を言えば、ピアノ演奏シーンに漫画ならではの表現方法を模索できれば、ワンランク上の作品になったと思います。また色々な作品を読んでみたいと思わせる力量を感じました。

■石塚真一先生
落しどころの難しそうなテーマを作者なりの物語の運びでラストまで描き切りました。絵も丁寧です。こういうタッチの絵は時間がかかっていると想像します。ナイスファイトです! !

■太田垣康男先生
私も新人の頃、天才と称される同期と比べ自分が平凡だと感じとても辛かった。それでも出来る事と言えばただ愚直に漫画を描き続けるだけ。作者の気持ちは実に良く分かります。が、主人公が自己憐憫の傍観者では読者を楽しませる事は出来ません。下手な漫画でも良いから、自分を慰めるより読者を楽しませる事を第一に。

■業田良家先生
天才と凡人のそれぞれの苦悩。そんな難しいテーマを無駄なく構成して短編としてきっちり完成させている。作者の力量を感じた。

■浅野いにお先生
突出した問題があるわけではないのですが、全編通してまさに「普通」といった印象の作品でした。個人的には母親にもっとフォーカスして、彼女の本音や葛藤を引き出して欲しかったです。そうすれば自ずと物語に深みが出来たのではないでしょうか。良くも悪くもないという評価は新人にとって何かと損だと思われるので、自分にしか描けない何かしらの新規性を感じさせるような作品作りを目指してはいかがでしょうか。

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「赤いべべきた可愛い子」湯中鯛(21歳・埼玉県)

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■花沢健吾先生
独特の世界観でしたが、自分の予想を超える方向には行かなかったです。主人公の感情の起伏とストーリー展開にちょっと読者が置いてきぼりになる感じでした。読解力のある読者が非常に多いのが日本の漫画界の美点であり先人達が築き上げてきた文化ですが、それでも丁寧な作品作りを心がけて欲しいです。

■石塚真一先生
自由な発想と世界観が展開されています。感情の動きも豊かです。作者らしさが前面に出ている作品はアートに触れている感覚すらありました。柔軟な発想のまま進んでいって欲しいと思います。

■太田垣康男先生
読み終えた時に私自身も「少年の心を理解出来ない周りの大人たち」の1人だと感じ、作者との溝を感じた。少年と通じ合うのは金魚とボケたおばあちゃんだけ。それは作者の世界を象徴している。通じ合える他人が増えて欲しいと願うだけだ。

■業田良家先生
作者が何を伝えたかったのか私には分からなかったが、作者の持っている童心と空想力は強く感じた。

■浅野いにお先生
独特な感性で描かれた作品で非常に個性的だとは思うのですが、いかんせんちぐはぐな箇所が多く、特にラストに関してはこちらの理解力云々以前に完全な説明不足だと思います。所々会話が噛み合っていない箇所もあり、主人公の身勝手に振り回されている感覚に陥りました。不思議な世界観を描くのは良いと思うのですが、「主人公の妄想」で全て片づいてしまうような内容ではなく、もっと多くの読者が納得できるような説得力を持たせてください。

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「Teenage Dirtbag」くそごり(27歳・東京都)

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■花沢健吾先生
クセのある絵柄ですが、嫌われない絶妙なバランスがある気がします。アイデアも良かったのでもう少し掘り下げるなど、意外性が欲しかった。女の子ももう少しキャラが見えてくると、この作品世界に浸れたと思います。

■石塚真一先生
笑いました。明るいタッチで“今”を切り取った作品だと思いました。どのキャラクターにも共感が持てる。「キャラクターに共感させる力」がこの作者の持ち味だと思います。この方向でゴーで! !

■太田垣康男先生
これは女性の人格を見ないで外見だけを追うストーカーの心理。自己中で暴走する少年に私は共感できない。彼が犯した重罪を罰する事なく物語を終えた作者は、この罪の重さを全く理解していないのだろう。非常に残念だ。

■業田良家先生
青春時代の妄想、恋心の暴走を新しい設定で巧く表現している。オチもちゃんとついて面白かった。描線も表現も漫画らしくて好感を持てる。

■浅野いにお先生
キャラの造形は可愛いのですが、内容に物足りなさを感じるのでせいぜい20ページが妥当かと思います。セリフは自然で良いのですが、キャラが動いたり何かしらのアクションを起こすと途端に読み辛くなるので、コマ割りや構図で位置関係や状況がきちんと読者に伝わるように工夫してください。特に走ってるシーンはモブのセリフに頼りすぎです。後半は主人公のモノローグのみで展開する一本調子、且つ自己完結で終わっているので、作品としての満足度を上げるために、人と人が影響されあって変化する人間ドラマを盛り込んで欲しいです。

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「変体と夜」小雀入内(18歳・大分県)

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■花沢健吾先生
独特な絵柄と内容でちょっと読者を置いてきぼりにしていますが、それも個性と捉えることが出来そう。何本かショート作品を読んで作者の才能を見極めたいです。この作品だけだと中々判断がつかないところです。

■石塚真一先生
楽しい作品! ! 言葉で言い表せない魅力があります。昔話を読んでいるような感覚になる不思議な作品です。こういうの好きです。

■太田垣康男先生
孤独な少女に自己を重ねて傷の舐め合いをしたかった少年。しかし少女はワニと交わり昇天する。性のメタファーは面白くメルヘンな内容だが、少年の独善的な心情の吐露が不快。

■業田良家先生
ワニが出てくるシーンで話に引き込まれた。「君が僕の初めての美しい光景なんだ」等いくつか詩的で光るネームがある。作者の18歳の瑞々しい感受性に可能性を感じた。

■浅野いにお先生
この方が今後どんな作品を描くのか、そもそもこれからも漫画を描く気があるのかが気になってかなり甘めの点数をつけました。ストーリーに関しては特に何も感想はないのですが、随所に見られる映像的な演出は魅力的でした。ただ、野球の?ボールがぶつかる瞬間くらいはちゃんと描いてください。こういった拗らせたティーンのモゾモゾとした恋愛というものも昨今ずいぶんとありふれてきたように思えるので、先駆者たちとどう差別化していくかも考えて欲しいです。


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