95回募集中!2024年915日(日)しめきり

まんが家養成講座

基礎編

まんがを描くための道具

まんがに必要な道具

まんがを描くために必要最低限の道具を紹介します。
最初はこれだけそろえれば十分でしょう。
他に便利な道具や素材もありますが、最初からあれもこれもとそろえる必要はないでしょう。
さて、道具にはダメになったり、減ったりしたら買い直す消耗品と、ほとんどずっと使える一生モノがあります。
まんが道具を買うコツとしては
●消耗品は、とりあえず何を選んでもでもいい
●一生モノは、価格の高いものを購入したほうがいい

ということでしょうか。
ペン先やインクなどの消耗品は価格も安めなので、使ってみて自分に合わないなと思えば、買い換えも容易です。
しかし定規などは、きちんと使えば一生モノです。
まんが制作にはそれほどの精度は要求されませんが、なるべくいいものを購入したほうがいいでしょう。
では、それぞれの道具を紹介しましょう。

1)ペン先

ペン先

まんがで線を描くための基本的な道具です。
これを2)のペン軸にはめ、3)のインクをつけて、線を描きます。
さまざまな種類のペン先がありますが、とりあえず写真の2種類があればいいと思います。写真左がGペン、右が丸ペンです。

Gペンは、おもに人物を描くときに使います。ペンを紙に押しつける時の角度や力で、太い線になったり、細い線になったりしますから、線に表情がつけやすいペンです。
まずはこのペンで練習しましょう。

丸ペンは、背景など線幅のそろった細い線を描くときに使います。きれいな細い線が描けるので、少女まんがなどでは人物もこのペンだけで作画する作家さんもいるようです。

両方のペン先とも、数社から発売されています。
描き味が微妙に異なるようですが、最初はどれを選んでもそう変わりません。
買ったばかりの新品には、サビ止めにオイルが塗られていたりしますから、まずはティッシュなどできれいにふきとってから使いましょう。

なお、ペン先は消耗品です。
使っているうちに先がすり減ったり、先端が開いて細い線が描けなくなってきたら取り替え時です。

2)ペン軸

ペン軸

ペン先をはめて、下の写真のように使います。
ペン先によって使用するペン軸は変わります。Gペンなどは右写真の下のタイプを、丸ペンは上のタイプを使います。ペン先をはめ、グラグラしないことが最低条件です。
また握った時の感触も大切です。
ただ人間の手や指は千差万別ですから、そうそうぴったりな製品があるはずもないので、既製品に慣れることも必要です。
作家さんは、自分が使いやすいようにテープを巻いたり、ゴム製のサポーターをはめたりしているようです。

3)インク

インク

ペン先に適量つけて、線などを描くためのものです。
昔は「製図用インク」派と「墨汁」派に分かれていましたが、現在は製図用インクを使用する作家さんが多いようです。
またまんが専用のインクも発売されています。
インク選びは使用する原稿用紙との相性もあるので、できれば何社かのインクを試した上で、最終的に使用するインクを決めるとよいでしょう。
写真で紹介したのは、まんが制作によく使われるパイロット社製の製図用インク(写真左)と、アイシーのコミックスーパーブラック(写真右)です。どちらも乾くと耐水性になります。

4)修正液

修正液

ホワイトとも呼びます。
はみだした線をこれで消したりする時に使います。
以前はポスターカラーの白を使うことが多かったのですが、今ではいくつかの便利な修正液が発売されています。
写真の左は、コミック専用の修正用白インクです。
筆を使って修正するタイプです。
使用後、筆を洗わないといけないので面倒くさいのですが、微妙な修正作業が必要なときに重宝します。
右は刷毛(はけ)のついた油性の修正液です。
手軽に使えるので愛用している作家さんも多いようです。
ただし、細かい修正には向かない(慣れればできますが…)、インクとの相性が出ることがある、ので注意。

5)原稿用紙

原稿用紙

一口にまんが用の原稿用紙といっても紙質・サイズ・厚さでさまざまなものがあります。
紙質は上質紙・ケント紙・画用紙など。
サイズはB4判・A4判などですが、新人コミック大賞に応募する場合、B4判の原稿用紙を使います。
厚さは重さの単位であるkgで表しますが(重いほど厚い紙になります)、135kgくらいのものがいいでしょう。
最近は、各社からまんが専用の原稿用紙が発売されているので、それを購入するのが手軽です。
基準となる版面用のワク線や目盛りが青く印刷されたものが使いやすいと思います(この青い線は印刷には出ません)。
原稿用紙は実際にインクとペンで描いてみないと、描きやすいかどうかの判断はできません。
何社かの原稿用紙を試してみてください。
写真はミューズの漫画原稿用紙・B4(上質紙 135kg)です。

6)鉛筆・消しゴム

鉛筆・消しゴム

原稿用紙に下描きを入れるときに使います。
鉛筆ではなく、シャープペンでもOKです。HB~2Bくらいの芯を使いましょう。
芯が硬すぎると原稿に鉛筆あとが残って、ペンがひっかかったりしますし、逆に柔らかすぎると消しゴムをかけるときに鉛筆線がきれいに消えないことがあります。
 消しゴムは通常のプラスチック消しゴムを選べばいいでしょう。
昔は原稿用紙との相性もあり、消しゴムをかけたら紙がケバだってしまうこともあったのですが、今はほとんどないようです。

7)定規

定規

ワク線を引いたり、効果線を描いたりするときに使います。
40cm程度の直線定規が1本あれば大丈夫ですが、できれば三角定規も一つあると便利です。
直線定規とあわせて写真のように簡単に垂直線や平行線が引けます。
 目盛りのついた透明アクリル製で、直線定規はインクの染みこみ防止の面取りが片面にされているものを選びましょう。
精度の高い定規は高価ですが、ていねいに使えば一生モノです。

8)サインペン

筆ペン
 

Gペンなどと違い、幅のそろった線を引くときに使います。
とりあえず0.8mmの線幅のものが1本あれば、ワク線を引くときに重宝します。
作家さんによってはもっと細い線幅のものを丸ペンのかわりに使い、背景を描いたりしています。

9)筆ペン

筆ペン

本来は書道用のものですが、黒ベタ部分を塗りつぶすのに便利です。
中字~太字
のものを買いましょう。
使い慣れれば、細かな込み入った部分も大面積も、これ1本で塗りつぶすことができるようになります。

10)製図用ブラシ

ブラシ
 

原稿用紙にケシゴムをかけたあとのカスをはらうのに使います。
必ずないといけない道具ではありませんが、手でこすったりはらったりすると原稿用紙が汚れて、思わぬ修正をすることになります。
『転ばぬ先のブラシ?』ですね。

 


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