ストーリー編
まずテーマを決める
『テーマ』は「読者に何を伝えたいのか」である
「そのまんがで何を伝えたいのか?」がテーマだと、前項で紹介しました。
そして一度決めたテーマはぶれてはならないこともお伝えしました。
テーマがしっかりしていると、まんがとして筋が1本通った、わかりやすい・伝わりやすいまんがになります。
テーマ選びはなんでもかまいません。
「友情」や「家族の絆」、「成長」…など、あなたが経験した身の回りのことでもいいでしょうし、感動したことをまんがにしてみたい、でもいいでしょう。あなたがそのまんがを描きたい理由が込められているならば、なんでもテーマになります。
『テーマ』がすべてではない
では具体的にストーリーを作ってゆく場合、どうするのでしょう? オーソドックスな手法は最初にテーマを決めて、それにそってキャッチやキャラクターなどを考えていくものです。描きたいテーマがあるならば、これでいいと思います。
たとえば「見た目も性格もいまいちな女の子のシンデレラ・ストーリーが描きたい」となれば、テーマは「サクセス・成長・勝利」というとても明確なものですから、それに合わせたこんな主人公キャラ、王子様キャラ…などと進めていくわけです。
ただし、テーマがすべてではありません。
プロの作家さんもテーマからではなく、描きたいキャラクターやエピソードから考えていく人も多いようです。
「こんなキャラクターが刀を持ってチャンバラしたらおもしろいかも…」
「こんなカーチェイスが描きたいなあ…」
「もし、地球が1か月後に滅ぶとしたら、何やるかなあ…」
といったところからふくらませて、あとから「自己犠牲・英雄誕生・…」などのテーマを決めていくこともあります。
「おもしろいまんがはテーマが明確」とは言えますが、「テーマが明確だから、おもしろいまんがになる」わけではありません。
テーマで悩むより、キャラクターやエピソードで悩んだ方が有意義です。
前回もお話ししましたが、テーマはわかりやすく普遍的であることが多く、まんがのおもしろさとはまた別の問題です。
読者層を考えた『テーマ』選びをしよう
新人コミック大賞では部門別に作品を募集していますが、部門毎に成立しやすいテーマ、成立しにくいテーマがあります。
一例ですが「仕事」や「郷愁」などのテーマは、青年部門なら成立しますが、児童部門では難しいでしょう。描きたいテーマがねらっている部門・読者の年齢層に合ったものかどうかは、よく考える必要があります。
もちろん絶対ではありませんので、「仕事」がテーマのまんがでも、こんなキャラクターやエピソードを盛り込めば、小学生の読者にも楽しんでもらえる、というのであればチャレンジしてみてもいいと思います。
もしかしたらそれが「新しさ」につながるかもしれません。
ちょっと抽象的なお話になってしまいましたね。
あなたの好きなまんがをもう一度読み返してみて、「このまんがのテーマは何なのか」について考えてみてください。
おもしろいまんがにはそこに明確な「テーマ」が感じられるはずですから…
サンプルまんが作成 ©十神 真