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まんが家養成講座

ストーリー編

キャラクターの創り方―マッピングを活用しよう!

キャラクターを創るために

32ページの読み切りまんがで考えると、登場する主要なキャラは、

〈主人公〉
〈ヒロイン〉
〈サブキャラ数人〉

といったところでしょうか。他にチョイ役が必要かもしれませんが、メインでないなら考えなくてもいいでしょう。これらの主要なキャラについて、

『外見』=顔・体型・年齢・服装・持ち物 など
『内面』=性格・趣味嗜好・行動・しゃべりかた など
『環境』=友人関係・家族・人気・資産 など

これらの設定をしてゆくのがキャラクター創りになります。
あなたの中に「こんなキャラでまんがを描きたい」という明確なイメージがあれば、それをもとに考えればいいのですから簡単です。

ではイメージがわかない場合は?

特に、主人公は決めたけど、サブキャラをどうしようかなあといったときは、あなたの知っている友人やタレント・映画スターなどをベースにして考えてもいいかもしれません。
もちろん既存のまんがや小説・映画などからのキャラ盗用は絶対してはいけません。
ここで気にしなければいけないことは、外見・内面・環境の3つは連動していることです。
たとえば家がお金持ちなら、服も高価なものを着ているでしょうし、趣味や行動もハイソかもしれません。
おもしろいからといってあまりに極端にしてしまうとリアリティーがなくなってしまいます。
ただ、典型からわざとはずして、「貧乏なのに見栄はって外見を飾っている」などの設定はアリです。
「こんな人がいたらおもしろいかも…」そんな思いを存分に発揮してください。

キャラクターをマッピングしてみる

では具体的にキャラクターはどのように考えていけばいいのでしょうか。
ここではマッピングという手法で、まずおおまかにキャラを考えてみましょう。

下の図のように十字を書き入れ、上で紹介した〈外見〉・〈内面〉・〈環境〉から2つを選び、それぞれ縦と横に設定します。 図では、縦軸に外見(かっこいい・悪い)、横軸に内面(性格明るい・暗い)を選びましたが、自分で理解しやすい、イメージしやすいものでいいでしょう。

キャラクターの創り方―マッピングを活用しよう!_01

この図に主人公を始め、登場キャラごとにその位置に点を打っていきます。

あなたの思い描いているキャラはどこの位置になったでしょうか? 主人公でよくあるのは(かっこいい)と(性格明るい)のエリアに入るキャラです。 また、サブキャラですと、どれか一つの軸がマイナスにふれた、図のブルーのエリアが多いでしょう。
すべてのキャラをマッピングしてみて、あるエリアに集中しているようなら、それは似通ったキャラが多いことになります。 これではストーリーは広がりません。一からキャラを考え直したほうがいいかもしれません。

キャラクターの創り方―マッピングを活用しよう!_02

図の赤いエリアは主人公に多いエリアですが、サブキャラを配しても面白いかもしれません。
またバトルの敵キャラが入ってもいいかもしれません。
普通に考えると図のようになりますが、だから面白いというわけではないのです。
赤いエリアをあえて避けて主人公を考えるのも手です。たとえば、中心の緑のエリアは『無色透明で目立たないキャラ』の典型です。
自分から積極的に行動を起こさない、大勢いそうなキャラですね。最近多いのがここの緑のエリアに主人公を求めるものです 。

スーパーヒーローではなく、身近で親しみやすいキャラです。

「普通の高校生が事件に巻き込まれ、物語が進む…」
「何も知らなかった男が、やがて自分の能力にめざめていく…」
「普通の主人公とそれを取り巻くエキセントリックな仲間たち…」

そんな展開を考えているなら、いい選択だと思います。

各キャラクターの位置は基本的に変えない

一度決めたキャラの位置は、ストーリーが進んでも変えないのが普通です。
もし性格が地味だったキャラが突然派手になったとしたら、読み手は混乱してしまうでしょう。 実際、長年培った性格などはそんなに簡単に変わったりはしません。特にサブキャラの場合は一貫していたほうが動かしやすいと思います。
ただ主人公の場合、例外があります。それは成長です。

キャラクターの創り方―マッピングを活用しよう!_03

最初はマイナスの要素を抱えた主人公が、エピソードを通して、成長していく、大人になっていく…などの場合は、図のようにあえて位置を変えてもいいかもしれません。
それが読者にとって心地よい方向への変化であるなら許されるのです。
また、読後感もとても良くなります。ただし、なぜ主人公がこのように変わったのかを、きちんとエピソードで説明しないといけません。
何の気なしに考えていたキャラを、一度マッピングで整理して考え直してみてください。
妙にバランスが悪かったことを知らされたり、足りないキャラに気づいたり、便利な手法です。


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